囲繞地や袋地は一般的な土地と比べて特別な形状をしており、売却が難しい土地です。そのため、囲繞地や袋地を所有する方は、事前に売れにくい理由を把握し、活用方法や売却方法などを検討しておくことが大切です。
この記事では、袋地が売れにくい主な理由や土地の活用・売却方法、買取業者を選ぶ際のポイントなどを解説します。
目次
囲繞地と袋地の関係性

囲繞地とは、袋地を取り囲むように存在している土地のことです。一方、袋地は道路に接しておらず、囲繞地を通じてしか外部とアクセスできない土地を指します。
このような囲繞地と袋地の密な関係によって、土地の利用や売買に関する権利が複雑になっています。
例えば、袋地の所有者は囲繞地の所有者に通行権を要求できるため、囲繞地の売買や利用などに 制約が発生することがあります。こうした関係性を理解することは土地取引や開発において非常に重要です。
囲繞地は売れにくい?
囲繞地は、一般的に売れにくい不動産として扱われています。主な理由として、囲繞地が袋地に対して通行権を提供する必要がある場合、その権利関係が複雑であり、購入者にとってリスクが高いことが挙げられます。通行権をめぐってトラブルが発生する可能性もあるため、囲繞地の売却は慎重に検討する必要があるのです。
また、囲繞地は特別な形状をしているため、利用価値が限定されてしまいます。つまり、建築や開発の可能性が低く、需要が少ないのです。
これらの要因が重なることによって、囲繞地の売却はしばしば難航します。
袋地は売れにくい?
袋地もまた、売れにくい土地の1つとされます。袋地は道路に接していないため、外部とのアクセスを確保するために囲繞地の所有者と通行権に関する取り決めを交わさなければなりません。通行権の設定がスムーズに行われない場合は、購入者にとって大きなリスクとなり、売却が困難になることがあります。
袋地が売れにくいと言われる理由は、次章で詳しく説明します。
袋地が売れにくいとされる主な理由

袋地は以下のような理由から売れにくいとされています。
- 再建築不可物件に該当するため
- 囲繞地を経由して公道に出るのがストレス
- 日当たりが悪い可能性がある
- 住宅ローンの審査に通りにくい
- 災害時に緊急車両が出入りしにくい
- 死角が多くて防犯的にリスクがある
- リフォーム費・解体費が高い
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
再建築不可物件に該当するため
袋地は再建築不可物件に該当することが多く、この点が売れにくい主な理由の1つです。再建築不可物件とは、現在の建物が取り壊された際、新たに建物を建てられない土地のことです。
再建築不可になる原因は、袋地は公道に直接接していないため、建築基準法の要件を満たしていないからです。建て替えができないので、土地や建物の資産価値は大幅に低下し、購入希望者が減少することになります。
また、再建築ができないことによって将来的な資産価値の回復が望めないため、投資物件としても敬遠されがちです。
囲繞地を経由して公道に出るのがストレス
袋地は公道に直接接していないため、囲繞地の所有者から通行許可を得た上で、囲繞地を経由して外部とのアクセスを確保します。これが日常生活においてストレスの原因となり得るのです
通行権の取得や維持に関しては、囲繞地の所有者と交渉が必要になります。囲繞地の所有者が通行権を認めなかったり、通行料を要求されたりすれば、生活に大きな影響を及ぼすでしょう。
このようなリスクを抱えているため、袋地の売却が難しくなるのです。
日当たりが悪い可能性がある
袋地は、その位置や形状から、周囲を他の建物や土地に囲まれていることが多く、日当たりが悪くなる可能性があります。特に都市部の袋地では、高層の建物に囲まれているため朝夕の限られた時間帯にしか日光が当たらないことも珍しくありません。
日当たりが悪いと、湿気がこもりやすく、カビの発生や結露などの問題が発生しやすくなります。このような日照条件の悪さが袋地の資産価値の低下につながることもあるのです。
日当たりの悪さは、住宅購入者にとって大きなマイナスポイントとなっており、袋地が売れにくくなる要因となります。
住宅ローンの審査に通りにくい
袋地は、住宅ローンの審査に通りにくいという問題を抱えています。各金融機関は、物件の資産価値や将来的な売却可能性を慎重に評価しますが、袋地はその評価において不利な点が多いです。
特に、再建築不可物件である場合や、通行権に関するトラブルが予想される場合、金融機関はリスクを避けるために融資を渋ることがあります。これにより、購入希望者が住宅ローンを組むことが難しく、現金購入が求められることも少なくありません。
現金での購入者は限られているため、袋地の売却がさらに難しくなります。このように、住宅ローンの審査に通りにくいことが、袋地が売れにくい理由の1つとして挙げられます。
災害時に緊急車両が出入りしにくい
袋地は公道に面しておらず、災害時に緊急車両が迅速に出入りすることが難しいという大きなリスクを伴います。火災や地震などの災害時に消防車や救急車の到達が遅れることは、居住者の安全に直結する問題です。
特に、袋地が狭い通路や私道などを通らなければならない場合、緊急時の対応が遅れるリスクがさらに高まるでしょう。このような災害リスクは購入希望者にとって大きな懸念材料であり、防災意識の高い現代において袋地が避けられる原因となります。
死角が多くて防犯的にリスクがある
袋地は、その特性上、建物や塀に囲まれていることが多く、結果として死角が増える傾向にあります。このため、防犯面でのリスクが高く、空き巣や不審者が侵入しやすい環境となる可能性があります。
周囲の視線が届かない場所にあるため、防犯カメラや照明を設置しても効果が限定的であり、居住者にとって不安を感じさせる要素です。また、こうした防犯リスクを低減するために追加の費用が必要になることもあり、購入希望者にとって経済的負担を増やす原因となります。
リフォーム費・解体費が高い
袋地は公道に面していないため、リフォームや解体作業の際に資材の搬入や重機の進入が困難となり、その結果、費用が通常よりも高くなることがあります。
特に、大型の機械を使った解体作業や、大規模なリフォームなどでは、周囲の土地を通って作業する必要があり、手間と費用を増加させる要因となります。さらに、袋地の特性上、作業スペースが限られているため、作業の効率が低下し、工期が長引くこともあるでしょう。
こうしたリフォームや解体のコストが高くなることは、購入者にとって大きな負担となるため、袋地が売れにくくなる一因となります。
囲繞地や袋地を売却しない場合の活用方法

囲繞地や袋地を売却しない選択肢として、これらの土地を有効活用する方法があります。
例えば、囲繞地を資材置き場や駐車場として利用することで収益を得ることが可能です。また、袋地を家庭菜園やトランクルームとして活用することで土地を維持しながら実用的に利用できます。
さらには、ドッグランやアウトドアスペースとしての活用も考えられ、都市部では貴重な空間としての需要が高まることも期待できます。これらの活用方法で土地を手放さずに利益を生むことが可能です。
囲繞地や袋地を売却する主な方法

囲繞地や袋地は特殊な土地であるため、売却がうまく進まないことも珍しくありません。うまく売却を進めるには、それぞれの土地に合った最適な売却方法を選択することが大切です。
各土地の売却方法について詳しく解説します。
【囲繞地】袋地を買い取ってセットで売却する
囲繞地を売却する場合に有効な方法の1つは、隣接する袋地を買い取り、セットで売却することです。袋地を囲繞地と一体化させれば、土地全体の価値が向上し、購入者にとって魅力的な物件となります。
特に、囲繞地と袋地が一緒に売却されることで通行権や再建築に関する問題が解消され、購入希望者に安心感を与えることができます。
また、セットでの売却は、土地全体の利用可能性を広げ、個別に売却するよりも高値で売れる可能性が高まる可能性もあります。この方法は、土地の資産価値を最大化するための戦略として有効です。
【袋地】囲繞地の人に買い取ってもらう
袋地を売却する際、最も効果的な方法の1つは隣接する囲繞地の所有者に買い取ってもらうことです。囲繞地の所有者は、袋地を取得することで土地の一体性が高まり、資産価値が向上するという理由から買い取りに応じる可能性があります。
また、囲繞地の所有者は、買い取ることで袋地の通行権に関連する問題を解決できるため、トラブルのリスクを減少させることができます。
袋地を囲繞地の所有者に売却することでスムーズな取引が可能になり、袋地の売却が難航するリスクを軽減できるでしょう。
【袋地】旗竿地にする
袋地を旗竿地にすることで、売却が容易になる場合があります。旗竿地とは、細長い通路部分(竿)を持ち、公道に接する土地です。
袋地に細い通路を追加することで、旗竿地として公道に接続させることができ、再建築が可能な土地として売却できるようになります。この方法により、袋地の資産価値が向上し、購入者にとっての魅力が増します。
旗竿地は都市部のような土地が限られている場所では特に需要が高く、適切な手続きや工事を行えば、袋地の売却がスムーズに進む可能性があるでしょう。
【袋地】位置指定道路にする
袋地の売却を円滑に進めるための方法として、位置指定道路を設置することが挙げられます。位置指定道路とは、土地の一部を道路として指定し、他の土地へのアクセスを確保するためのものです。
袋地を位置指定道路にすることによって公道に直接接続することができるため、土地の再建築や利用が容易になります。これにより、土地の資産価値が向上し、購入希望者が増加する可能性が高まります。
位置指定道路を設置するには行政の許可や手続きが必要ですが、袋地の売却をスムーズに進めるための有力な手段となるでしょう。
【囲繞地・袋地】土地の等価交換をする
囲繞地や袋地を売却する1つの方法として、土地の等価交換があります。これは、所有する土地を他の土地所有者と交換することで、互いの土地の価値を最適化する方法です。
例えば、囲繞地の所有者が袋地の所有者と土地を交換することで互いに利便性が向上し、土地の価値を高めることができます。また、等価交換では、権利関係が複雑な土地をより使いやすい形にすることが可能です。
双方に有益な取引となることで土地の有効活用が促進されます。等価交換は土地の売却が難しい場合に有効な解決策となります。
【囲繞地・袋地】専門の買取業者に買い取ってもらう
囲繞地や袋地の売却が難航している場合は、専門の買取業者に依頼する方法が有効です。買取業者は、これらの特殊な土地を扱うノウハウを持っているため、土地のポテンシャルを最大限に引き出す方法を提案してくれます。
また、迅速な現金化が可能であり、売却までの手間や時間を大幅に削減できます。さらに、買取業者は土地の再開発や再利用などの知識を持っているため、個人での売却が難しいケースでも、適正な価格で買い取ってもらえる可能性が高いです。
専門業者への売却は土地の処分に困った際の有力な選択肢になるでしょう。
買取業者を選ぶ際のポイント

買取業者の数が多いため、どの買取業者にすべきか悩む方も少なくありません。買取業者を選ぶ際は、失敗を未然に防ぐためにも、以下の3つのポイントを押さえておくことが大切です。
- 実績を重視
- 弁護士と提携しているかどうか
- 複数の買取業者に査定を依頼
それぞれのポイントを詳しく説明します。
実績を重視
買取業者を選ぶ際に実績を重視することは、信頼性や取引の成功率を判断する重要な基準です。実績が豊富な業者は、これまで数多くの案件を手掛けてきた経験を持っており、複雑な土地の取引や法律的な問題にも柔軟に対応できるのが強みです。
また、実績がある業者の場合は、市場動向にも精通しており、適正な価格での買取が期待できるため、損失リスクを減少させられます。実績を確認すれば安心して取引を進められるという大きなメリットを得られるでしょう。
弁護士と提携しているかどうか
買取業者が弁護士と提携しているかどうかを確認することも重要です。弁護士と提携している業者は、法的な問題に対する対応が迅速かつ的確であり、特に複雑な権利関係やトラブルが発生しやすい土地の取引において有利です。
例えば、通行権や再建築不可物件などの問題が生じた場合でも、法的なサポートを受けることによってスムーズに問題解決が進む可能性が高まります。このため、弁護士と提携している業者を選ぶことで、安心して取引を進めることができるというメリットがあります。
複数の買取業者に査定を依頼
複数の買取業者に査定を依頼することは、好条件で売却を進めるための有効な手段です。複数の業者に査定を依頼することで、それぞれの業者が提示する価格や条件を比較検討でき、市場価格に近い適正な価格での売却が期待できます。
また、各業者の査定基準や対応を確認することによって、信頼できる業者を選定する材料となります。このプロセスを経ることで、より良い条件での取引を実現し、売却後の満足度を高められるでしょう。
売りにくい土地の売却ならブリリアント

出典:訳あり物件買取センター
訳あり物件買取センターは売却が難しいとされる土地の取引に精通した専門業者です。再建築不可物件や囲繞地、袋地など、通常の不動産市場では売却が困難な土地でも、ブリリアントなら豊富な経験と専門知識を活かして適正価格での買取を実現します。
法的な問題にも迅速に対応し、弁護士との連携により安心して取引を進めることが可能です。さらに、複雑な権利関係の調整やスムーズな取引手続きで、多くのお客様に選ばれています。売りにくい土地の売却を検討している方には、ブリリアントへの相談をおすすめします。
まとめ
この記事では、囲繞地や袋地のような売却が難しい土地に対する適切な売却方法や買取業者を選ぶ際のポイントを詳しく解説しました。これらの土地は一般的に売却が困難なため、事前に情報をしっかりと把握し、適切な戦略を立てることが重要です。
特に、売却が難しい土地については、豊富な実績と専門知識を持つブリリアントに相談すれば安心してスムーズに取引を進めることができます。土地の特性に応じた適切なサポートを受けることによって、納得のいく売却が実現するでしょう。