袋地や囲繞地は通常の土地に比べて買主が見つかりにくく、売却金額が安くなる傾向があります。そのため、袋地や囲繞地の所有者のなかには、「どうすれば売れるのか」「買主が見つかりにくい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、袋地と囲繞地の違いと、通行地役権や囲繞地通行権について解説します。袋地や囲繞地を売却する方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
袋地と囲繞地（いにょうち）の違い
袋地と囲繞地はそれぞれ特徴が異なります。ここでは、袋地と囲繞地の違いを解説します。
袋地とは道路に面していない土地
袋地とは、周囲を他者の土地に囲まれており、道路に面していない土地のことをいいます。
袋地は、建築基準法の接道義務を満たしていないことから、新たに建物を建てることができません。接道義務とは、建物を建てる際に幅4m以上の道路に2m以上接した土地でなければならないという規定です。
したがって、周囲を他者の所有地に囲まれて道路に接していない袋地は建築不可物件とも呼ばれ、建物を建てることができません。
囲繞地とは袋地を取り囲んでいる土地
囲繞地とは、袋地を取り囲んでいる土地のことです。囲繞地は袋地と異なり、接道義務を満たしていれば建物を建て替えることができます。
ただし、袋地の所有者が囲繞地を通らなければ道路に出られないため、他者が自身の土地を通過することを許容しなければなりません。
通行地役権と囲繞地通行権とは
袋地と囲繞地の所有者は、土地を通行する権利である「通行地役権」や「囲繞地通行権」に関するトラブルが発生する可能性があります。
通行地役権と囲繞地通行権は、それぞれ以下のような特徴があります。
| 通行地役権 | 囲繞地通行権 | |
|---|---|---|
| 権利行使者 | 土地の所有者 | 袋地の所有者 |
| 土地所有者の合意 | 必要 | 不要 |
| 期間の定め | 契約期間に準ずる | なし |
| 通行料 | 契約内容によって異なる | 必要 |
| 登記の有無 | あり | なし |
それぞれの権利について詳しく見ていきましょう。
通行地役権とは
通行地役権とは、生活の利便性を高めるために、土地の所有者と合意のうえで他者の土地を通行できる権利のことです。たとえば、自身の土地からでも道路に出られるが、他者の土地を通過した方がより大きな道路に出やすい場合に所有者の許可を得られれば他者の土地を通ることができます。
通行地役権は契約によって設定されるため、通行できる幅や通行料の有無、期間を当事者間で話し合って決めます。
囲繞地通行権とは
囲繞地通行権とは、袋地の所有者が囲繞地を通行する権利のことです。この権利は民法で定められているため、袋地の所有者は、囲繞地を通行する際に事前に所有者の許可を得る必要がありません。
ただし囲繞地の所有者を保護するために、民法では「囲繞地の中で最も囲繞地所有者にとって損害の少ない場所を通過しなければならない」と定められています。
また、民法第212条では「通行する土地の損害に対して償金を支払わなければならない」と定められています。償金の金額は法律で定められていないため、双方の話し合いによって決定するのが一般的です。
袋地によくあるトラブル・問題点
袋地によくあるトラブルや問題点は、以下の5つです。
- 再建築が基本的にできない
- 日当たりが悪い
- 償金の支払いが発生する場合がある
- 災害時のリスクが高い
- 囲繞地の住民とトラブルになる可能性がある
袋地は道路に接していないことから接道義務を満たせず、原則として再建築ができません。建物が一度解体された場合に、そこに新たに建物を建てる権利がないのです。また、住宅に囲まれているため、日当たりが悪く、災害時や急病人が出た際に消防車や救急車が入れない問題があります。
通常の土地であれば償金の支払いが発生しませんが、袋地は囲繞地の所有者に対して償金の支払いが発生する可能性があります。なかには、敷地内を通行されることに嫌悪感を抱く隣人もいるので、トラブルに発展しないように注意しましょう。
囲繞地によくあるトラブル・問題点
囲繞地は、以下のようなトラブルや問題点があります。
- 袋地の住人に敷地に入られる
- 売却時に査定額が低くなる可能性がある
袋地の所有者は囲繞地の所有者の許可を得ることなく通行できることが法律で定められています。他人に敷地内を通行されることに抵抗を感じる人が多いため、囲繞地は買主が見つかりにくくなります。そのため、通常の土地より査定額が低くなることを考慮しておきましょう。
袋地・囲繞地を売却するなら買取業者への依頼がおすすめ
出典：訳あり物件買取センター
袋地や囲繞地は、一般的な土地に比べてデメリットも多く、買主が見つかりにくい傾向があります。
そのため、袋地や囲繞地を売却する際は、買取業者へ依頼するのがおすすめです。袋地や囲繞地の売却を得意とする買取業者に依頼すれば、買主が見つかりにくい土地でも短期間で売却できるでしょう。
まとめ
袋地は囲繞地を通らなければ道路に出られないだけでなく、接道義務を満たしていないことから再建築ができません。囲繞地は、袋地の所有者が自身の敷地内を通行することを拒否できないという特徴があります。袋地と囲繞地は、隣人と通行の権利をめぐるトラブルが発生する可能性があることから、一般的な不動産仲介会社では売却が難しい可能性があります。
袋地や囲繞地を売却する際は、不動産仲介業者ではなく買取業者に依頼するのがおすすめです。訳あり物件買取センターは、豊富な専門知識と経験を活かして、買い取った袋地や囲繞地に付加価値を加えて活用できる土地にします。袋地や囲繞地をスムーズに売却したい方は、訳あり物件買取センターに依頼してみましょう。
