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定期借地権で一戸建てを建てるメリット・デメリットは?

定期借地権で一戸建てを建てるメリット・デメリットは?

一戸建ては、一般的に土地と建物の双方を購入する場合がほとんどですが、一戸建て物件のなかには「定期借地権付一戸建て」といって、土地は一定期間賃借し建物は購入するという取得方法があります。

この定期借地権は、従前の旧借地権を改良して利用しやすくした制度です。定期借地権付一戸建ては、購入費用が抑えられるというメリットがある反面、ローン審査が厳しく融資条件が悪くなるというデメリットもあります。

ただし、一生涯その土地にこだわって所有し続けるのではなく、住まいをライフステージに合わせてフレキシブルに変化させていきたい方にとってはメリットのほうがが大きい取得方法といえるでしょう。

この記事では、現在の定期借地権にいたるまでの借地権の変遷や特徴、定期借地権付一戸建てを購入する場合のメリットとデメリットを解説しています。

この記事の監修者
  • 虎ノ門桜法律事務所 / 代表弁護士:伊澤 大輔
    虎ノ門桜法律事務所 / 代表弁護士
    伊澤 大輔
    経歴:
    2001年弁護士登録。虎ノ門桜法律事務所代表弁護士。
    不動産会社(売買、賃貸、仲介、管理、共有物分割、競売等)等、顧問先多数。
    元暴力団追放運動推進都民センター相談委員、同センター不当要求防止責任者講習講師。
  • 宅地建物取引士:杉本 英紀
    宅地建物取引士
    杉本 英紀
    経歴:
    2000年より不動産業に従事。2004年に宅地建物取引士を取得。
    借地権にとどまらず、再建築不可、私道持分なし、道路未接道、事故物件、収益ビル、倉庫、アパート、マンションなど、全ての訳アリ物件に愛された男。
    訳アリ物件のエキスパート、ブリリアント杉本。
    趣味はバイクツーリング。どんな悪路でも物件見に行けます。

定期借地権とは?

借地権とは地主へお金を支払って土地を使用する権利です。1992年8月1日よりも前に締結した借地契約は旧借地法に基づく旧借地権と呼ばれますが、借地権者が望めば半永久的に土地を使用できるため、地主に不利な契約とされていました。

いつになれば土地が返還されるのか分からないため、地主が土地の賃貸をためらうことが多くなり、土地賃貸の流動性が低くなりがちでした。
そこで、事前に賃貸期間を定めることで土地が長期間にわたり返還されない問題を解消できる「定期借地権」が創設されました。

借地借家法によって定められた借地権の一つ

定期借地権とは、1992年8月1日に施行された借地借家法に基づく借地権です。土地の賃貸借契約時に賃貸期間を決め、賃貸借期間満了その他の事由によって土地が地主へ確実に返還されやすい権利に変わりました。

また、賃借人側も賃貸借期間が設定されることで事業計画の設計に期限が生まれるため、事業規模や事業展開がより具体的に計画できるようになったのです。

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地主も土地が返還される時期がわかる

旧借地権では、地主から借地契約を解除することは大変難しく、実際に契約を解除するためには明白で正当な理由が認められなければなりませんでした。

新たな借地借家法に基づく新借地権では、あらかじめ契約期間を設けて契約し、契約期間が満了すれば更新されずに更地で返還されるという方式が選択できます。つまり、土地が返還される時期が明白であれば、地主は次の借地人もしくは買受人を探したり自己利用のための準備に取りかかったりできるため、この後の土地活用の計画が立てやすくなるのです。

定期借地権の種類

1992年(平成4年)8月1日に施行された借地借家法によって、3つの借地権が規定されました。定期借地権が施行されたことで、地主は安心して自分の土地を貸すことができるようになり、借地人は土地を購入せずに一戸建てを安く購入できるという選択肢が増え、物件探しの幅も広がりました。

それら3つそれぞれについて、借地権の概要や特徴について解説します。

一般定期借地権

一般定期借地権は、借地権の存続期間を50年以上とし、期間が満了すれば借地権は消滅して契約は更新しません。詳細については図表1をご覧ください。

一般定期借地権(借地借家法 第22条)

図表1↓

存続期間 50年以上借地関係は期間満了に伴って終了
契約更新 更新はできない
土地の用途 用途の制限はない
契約方法 下記の3つの制約を特約で定める

  • 契約の更新をしない
  • 契約の更新をしない
  • 存続期間の延長をしない

特約は必ず公正証書などの書面を取り交わして行う

契約満了時 原則として、借地人が建物を取り壊して更地を返還

建物譲渡特約付借地権

建物譲渡特約付借地権は、土地の用途に制限はなく借地権の存続期間を30年以上とし、期間が満了すれば地主が建物を買い取って終了し、契約は更新しません。詳細については次の図表2のとおりです。

建物譲渡特約付借地権(借地借家法 第24条)

図表2↓

存続期間 30年以上借地関係は建物の譲渡に伴って終了
契約更新 更新はできない
土地の用途 用途の制限はない
契約方法 公正証書などの定めはない
30年以上経過した時点で建物を相当の対価で地主に譲渡することを特約する口頭による約定でも有効
契約満了時 期間満了時には下記いずれかを選択する

  • 建物は地主が買い取る
  • 建物は収去せずに土地を返還する
  • 借地人または借家人は継続して建物を借りて使用を継続する
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事業用定期借地権

事業用定期借地権は、土地の用途が事業用という制限を設けて借地権の存続期間が10年以上50年未満とし、契約は更新しません。詳細については以下図表3をご覧ください。

事業用定期借地権(借地借家法 第23条)

図表3↓

存続期間 10年以上50年未満借地関係は期間満了に伴って終了
契約更新 更新はできない
土地の用途 事業用建物の所有に限る(居住用建物は認めない)
契約方法 存続期間を30年以上50年未満とする場合には、下記の3つの制約を特約で定める

  • 契約の更新をしない
  • 存続期間の延長をしない
  • 建物の買取請求をしない

特約は必ず公正証書などの書面を取り交わして行う

また、30年以上の事業用定期借地権には建物譲渡特約付借地権を併せられるため、建物収去を伴わない借地利用ができなど活用のバリエーションが広い

契約満了時 原則として、借地人が建物を取り壊して更地を返還

事業用定期借地権は、ロードサイドのショッピングモールやフランチャイズ店舗などの大型商業施設でよく見られる定期借地契約の方式です。

定期借地権で一戸建てを建てるメリット

定期借地権で一戸建てを建てると、土地を購入するよりも安価に家が建てられます。その理由や税制面のメリットについて解説します。

購入費用が安くつく

借地権に基づく土地利用なら、土地を購入せずに地代を支払うため、高額になりがちな土地の購入代金がかからず、建物の購入費用プラスアルファくらいの比較的安価で家が建てられます。
しかし、土地の賃貸借契約締結にあたっては保証金や権利金などの一時金がかかるのが一般的です。

土地を購入せずに住宅取得資金の総額が安く抑え、その分を教育資金や娯楽費などの生活資金にまわしたい方など、ライフスタイルや人生観に合わせたマイホーム選びができるともいえます。

したがって、初期費用をかけずに一戸建てが欲しい方には定期借地権付の一戸建てはおすすめです。

ちなみに、定期借地権付マンションの場合は、将来の更地に備えてマンション解体のためのまとまった費用を管理組合から請求される場合があります。
しかし、それでも敷地権(所有権)付区分マンションを購入するよりも借地権付マンションのほうが割安で購入できるのです。

土地の税金がかからない

固定資産税および都市計画税は土地付きの不動産を所有する場合に課税される税金であり、地代を支払って土地を使用する賃借人は課税されません。また、不動産を取得したときに1度だけ課税される不動産取得税も、土地の分はかからず建物分だけになります。

ただし、「建物」に関する固定資産税および都市計画税は、土地を購入した場合でも賃借した場合でも同様にかかります。

したがって、定期借地権付の一戸建ては土地を所有するよりも税負担が軽減できます。

定期借地権で一戸建てを建てるデメリット

定期借地権で一戸建てを建てると、借地契約期間中はずっと「地代」を支払い続けなければなりません。
また、定期借地権には住宅ローンでマイホーム購入費用を融資する銀行にとってもデメリットがあります。

毎月地代を支払う必要がある

定期借地権は、事前に契約で定めた地代を賃貸借期間中はずっと支払わなければならないため、無駄な地代を支払わなくて済むよう計画的に土地を借りる必要があります

また、地代は景気などの経済市況や周辺の賃料相場などに影響を受けて、将来的に値上がりする可能性があります。もちろん、正当な事由なく地主の独断で値上げすることは原則できませんが、それでも底地を押さえている地主のほうが立場的に強い傾向は否めません。

ちなみに、借地借家法 第11条第1項によれば「地代又は土地の借賃(以下この条及び次条において「地代等」という。)が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う」と規定されています。

つまり、地主から地代の増額もしくは借地人から地代の減額を要求する際は、相応の裏付けを提示して交渉するのが一般的なのです。

また、相手方からの地代変更請求に必ず合意しなければならないわけではなく、納得いかなければ拒絶することもできます。

もしも地代改定の交渉が決裂した場合には、借地人が支払う地代を地主が受け取らない場合が考えられます。しかし、地代の受領を拒まれたとして支払わずにいれば、地代の不払いで借地契約を解除される恐れがあるのです。

そのような場合には、地代を「供託所」へ預けて地代支払いが滞納にならないように法的手続きをとっておかなければなりません。

金融機関の審査に通りにくい

住宅ローンを組んで「定期借地権付一戸建て」を購入する場合には、銀行の担保に入れられるのは一般的に建物のみです。そして、ほとんどの金融機関は、建物に抵当権を設定することについての地主からの抵当権設定承諾書交付を条件とします。

この承諾書は、住宅ローンの返済が滞った場合に銀行が抵当権を実行(一戸建ての競売処分)ができるようにする事前同意です。承諾書には地主の署名と実印の押印ならびに印鑑証明書の提出が必要であり、地主が承諾書にサインする際には地主から借地人へ承諾料を請求する場合が少なくありません。

他方、定期借地権という「土地を借りる権利」を担保に組み入れることもできますが、土地そのものを担保とする場合と比べれば担保価値は小さくなります。さらに、借地契約の契約違反や建物の劣化状況、地主側にある正当事由などによっては地主側から借地契約の解除ができるため、借地権がローン返済中に消滅するかもしれない要素はいくつもあるのです。

このように、抵当権実行の制約や担保価値不足および借地権存続の不安定さなどによって、借地権は「リスク」と考えられやすいといえます。
ですので住宅ローンの審査は厳しく、実効金利は高めになる傾向にあります。

「提示する住宅ローン適用条件さえ整えればローン申込OK」という銀行や、「条件を整えてかつ借地権の契約期間内にローンを完済すればOK」という銀行があります。
一方で、借地権は全てNGという銀行もありますので検討の際は注意しましょう。

下記は、土地の権利が借地権の場合に銀行が提示する住宅ローン貸し付け条件の例です。
借地権は銀行の貸付金回収リスクが大きい分、貸し付け条件が厳しくなるのです。

  • 地主が法人なら融資不可、個人・宗教法人なら融資可
  • 借地権の場合にはローン借入期間を35年から短縮する
  • 借地権の場合には通常の金利よりもの金利を高くする
  • 借地権の場合には通常よりも融資金額を少なくする

なお、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供するフラット35では、借地権付一戸建ての取得時に必要な権利金や保証金、敷金、前払い地代なども借入対象に含みます。
さらに、抵当権設定に関する地主の承諾書がなくても利用できる場合があるなど、借地権でも融資を受けやすい住宅ローンです。

ですが、借地権付一戸建ての売却時に関する懸念点があります。
それは、新買主への売却時や新買主が増改築する場合にも「地主の承諾」が必要になる点です。
新買主が銀行から融資を受けて購入する際の住宅ローンも条件が厳しくなることが予想されるため、住み替えで売却する際に売れ行きが悪くなる可能性がある点にも注意が必要になるでしょう。

ライフスタイルによっては定期借地権付一戸建てが最適な選択になりえる

一戸建ての購入は、土地を購入する以外にも土地を賃借してその上に一戸建てを建てる方法があります。借地権付一戸建ての購入は高額の土地を購入せずに地代を支払うため。マイホームの取得金額を抑えられます。

一方で、定期借地権は借地上の建物の増改築や建て替えおよび権利変動について、都度地主から承諾をもらわなければなりません。
また、借地権自体の担保価値が低いためローン付けが難しく、金利や融資期間などの融資条件も厳しくなりやすいというデメリットがあります。

ただし、昨今では老後のセカンドライフにふさわしい場所や規模の家に住み替えることも珍しくなくなりました。その土地を生涯所有し続けるより、その環境を必要な時期だけお得に利用したいという考えをお持ちの方なら、定期借地権を上手に活用することができるでしょう。

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