すでに建物が建っている宅地であっても、現行の建築基準法の基準を満たしていないなどの理由で再建築不可物件と判断される場合があります。
再建築不可物件は、一般的に売却が難しく手放すのに苦労します。そこで本記事では、再建築不可物件を手放す方法について解説します。
所有し続けることで発生するリスクや、売却が難しい理由についても解説しますので、売却する際の参考になさってください。
目次
再建築不可物件は売却が難しい理由

再建築不可物件は主に下記2点の理由によって、売却が難しいと言われています。それぞれ詳しく解説します。
- 再建築不可物件はローンが組めない
- 建て替えできず老朽化が進み買い手が見つかりにくい
再建築不可物件はローンが組めない
再建築不可物件は、建て替えができないため担保価値が付きづらく、結果として購入を希望する買主はローンを借りることがほとんどできません。一般的な住宅購入で利用する住宅ローンでは、ローン返済期間中はその不動産を担保にして融資を実行し(抵当権設定)、万が一買主が返済できない場合には当該不動産を差し押さえて競売にかけるなどして残債に充当します。
しかし、再建築不可物件の場合は担保価値がかなり低いため、金融機関は融資をすることはほとんどありません。したがって、何らかの理由で再建築不可物件を購入したい買主は、ローンを組まずに現金決済をするか、ノンバンク等の金利が高いローンを利用することになります。
こうしたリスクを負ったうえで購入する買主は限定的であるため、再建築不可物件を手放すにはかなりの時間を要します。
建て替えができず老朽化が進み買い手が見つかりにくい
老朽化が進んだ建物は上記で紹介したようなリスクもあるため、買い手も見つかりにくいでしょう。再建築不可物件の最大のデメリットは、今経っている建物を解体して新たに建物を建築することができないという点です。つまり、どんなに老朽化が進んでも、その建物に手を加えながら住み続けるしか選択肢がないということになります。
単に老朽化していく以外にもリスクは考えられます。たとえば地震などの天災や火事など、所有者がどうすることもできない理由で建物が滅失してしまった場合、再建築ができないため単に更地を所有し続けることになります。
このようなことも想定されるため、再建築不可物件を率先して購入しようという買主は多くないといえます。
再建不可物件を持ち続けるリスク

再建不可物件を持ち続けるとどのようなリスクがあるのかについて、以下3つの内容について解説します。
- 老朽化が進み倒壊のリスクがある
- 固定資産税や火災保険などの費用負担が増える
- 手放したくても手放せなくなる
老朽化が進み倒壊のリスクがある
再建築不可物件は、解体してしまうと新築で建て直すことができません。そのため老朽化が進んでも、改修しながら住み続ける(所有し続ける)しかないため、場合によっては危険な箇所があるのを認識しながら所有し続けるしかないケースもあります。
その結果、万が一倒壊して近隣に被害が及ぶと、損害賠償などを請求される可能性があります。
また空き家の状態で放置すると、不法投棄や不法侵入などの犯罪につながる可能性があり、近隣に迷惑をかけることになります。
再建築不可で空き家になった場合でも、所有者が近くに住んでいて、定期的に見回りし最低限のメンテナンスを行っていればある程度は維持できるでしょう。
しかし相続などで所有することになった遠方の再建築不可物件の場合は、なかなか現地に足を運ぶことも容易ではありません。老朽化が進んで倒壊の可能性が高まったり、長期間空き家にすることで犯罪の温床にもなりやすくなったり、様々なリスクを伴うことになります。
固定資産税や火災保険など費用負担が増える
再建築不可物件で空き家の場合、所有しているだけで固定資産税の納税義務者となるため期日までに納税しなければいけません。同時に、火災保険料についても加入している保険会社へ保険料を払い続けることになります。
つまり、人が住んでいなくても所有しているだけで最低限の維持費はかかり続けることから、経済的な負担は多いでしょう。
手放したくても手放せなくなる
倒壊寸前かつ再建不可能物件は、その危険性から時間が経てば経つほど買い手がつきにくくなります。手放したいのに手放せない状態になってしまい、結果として売却のタイミングを逃すことになります。
しかしながらここまで解説してきたように、再建築不可物件をそのままの状態で手放すことは容易ではありません。次にお伝えする方法を用いて、なるべく早く売却するようにしましょう。
再建築不可物件の売却方法

再建築不可物件を売却する方法について、代表的な3つを紹介します。
- 近隣の人に購入希望者がいないか声をかける
- 再建可能にしてから売却する
- 専門業者に依頼する
近隣の人に購入希望者がいないか声をかける
再建築不可物件でも、近隣の人の土地と合わせれば再建築可能になるケースがあります。そのため、再建築不可物件を単体で買おうとする人と比べて、近隣住民であれば多少需要がある可能性があります。
近隣といってもどこでもよいわけではなく、具体的には建築不可物件と隣接する土地や建物の所有者が対象となります。その隣接する土地と併せて一筆の土地(ひと区画の土地)にすることで、現行の建築基準法上のルールを満たすことになれば、再建築不可ではなくなります。そのため、新たに購入した近隣の土地所有者は自宅の増築や改築などに活用することができます。
また、接道義務を満たすために土地の一部を譲渡してくれる場合もあるかもしれません。そうなると、もともと再建築不可の土地が建築できるようになり、一般の不動産取引として通常の売買も可能になります。
いずれの場合でも、再建築不可物件を売却する場合には、まず隣接する土地所有者に相談してみることをおすすめします。
再建可能にしてから売却する
再建築不可物件を再建可能にしてから売却する方法があります。時間や費用はかかりますが、再建築可能の一般不動産として買い手が見つかるのであれば、検討する価値はあるでしょう。
再建築可能にするための主な方法は次の通りです。
- セットバックをする
- 隣地から購入または借地をする
- 43条但し書き道路の申請をする
詳しくは、「再建築不可物件を再建築可能にする裏ワザ・抜け道は?再建築不可物件のリスクも解説」の記事をご覧ください。
専門業者に売却する
再建築不可物件を確実に処分するには、専門業者に直接売却する方法があります。この仕組みを「買取」といいます。
一般的な不動産の売却は、不動産会社が購入希望者を見つけたうえで、売主である所有者との売買契約を仲介する仕組みです。そのため、購入希望者が見つかるまでの間は、所有者には一切お金は入ってきません。
一方買取を利用した処分であれば、購入希望者がまだ見つかっていない段階でも、専門業者が買い取ってくれるため現金化できます。
買取は現金化を急ぐ場合には大きなメリットとなりますが、一般的な仲介でも売却よりも売却金額は低くなります。そのため、どちらが良いかは個々のケースに応じて検討するとよいでしょう。
再建築不可物件の売却なら訳あり物件買取センター

出典:訳あり物件買取センター
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まとめ
再建築不可物件は、一般の不動産よりも流通価値や担保価値がかなり低く、処分しづらいということがわかりました。隣接する住民に声をかける、建築可能にして売り出すなどの方法で対処できる可能性はありますが、確実なのは専門業者への相談・依頼でしょう。
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