「住む予定のない実家だけを相続放棄したい」と考えていませんか?結論からお伝えすると、不要な不動産だけを選んで放棄することは法律上できません。相続放棄を選択すれば、実家だけでなく預貯金などプラスの財産もすべて手放すことにな…
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虎ノ門桜法律事務所 / 代表弁護士伊澤 大輔経歴:
2001年弁護士登録。虎ノ門桜法律事務所代表弁護士。
不動産会社(売買、賃貸、仲介、管理、共有物分割、競売等)等、顧問先多数。
元暴力団追放運動推進都民センター相談委員、同センター不当要求防止責任者講習講師。 -
宅地建物取引士杉本 英紀経歴:
2000年より不動産業に従事。2004年に宅地建物取引士を取得。
借地権にとどまらず、再建築不可、私道持分なし、道路未接道、事故物件、収益ビル、倉庫、アパート、マンションなど、全ての訳アリ物件に愛された男。
訳アリ物件のエキスパート、ブリリアント杉本。
趣味はバイクツーリング。どんな悪路でも物件見に行けます。
目次
「住む予定のない実家だけを相続放棄したい」と考えていませんか?結論からお伝えすると、不要な不動産だけを選んで放棄することは法律上できません。相続放棄を選択すれば、実家だけでなく預貯金などプラスの財産もすべて手放すことになります。本記事では、相続放棄の仕組みやリスクに加え、相続後に売却する方法や相続土地国庫帰属制度など、実家を賢く手放すための5つの対処法を解説します。記事を読むことで、3ヶ月の期限内に適切な判断を下し、将来の管理義務や親族間トラブルを回避する道筋が明確になるでしょう。
実家だけを相続放棄することは原則として不可能

親が亡くなり相続が発生した際、「老朽化した実家は管理が大変だからいらないけれど、預貯金などの現金は受け取りたい」と考える方は少なくありません。しかし、結論から申し上げますと、特定の財産である「実家だけ」を選んで相続放棄することは、日本の法律上原則として不可能です。
相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の権利や義務を一切受け継がないとする意思表示であり、家庭裁判所での手続きが必要です。この制度は「全ての遺産を放棄する」か「全ての遺産を相続する」かの二者択一が基本ルールとなっており、都合の良い財産だけを選り好みすることは認められていません。
相続放棄は「すべての財産」を拒否する手続き
民法における相続放棄は、最初から相続人ではなかったとみなされる強力な手続きです。そのため、実家のような不動産だけでなく、預貯金、株式、車、貴金属といったプラスの財産もすべて手放すことになります。
同時に、借金や未払いの税金、家賃の滞納分といったマイナスの財産(負債)もすべて引き継がなくて済むようになります。つまり、相続放棄を選択した時点で、実家を含めたプラスの財産もマイナスの財産も、すべて自分とは無関係のものになるのです。
もし「実家はいらないが預貯金は欲しい」という理由で安易に相続手続きを進めてしまうと、後述する単純承認(相続することを認めた状態)とみなされ、後から相続放棄ができなくなるリスクがあります。ご自身の状況に合わせて慎重に判断する必要があります。
詳しくは、裁判所 | 相続の放棄の申述のページでも手続きの概要や要件が確認できます。
「実家を継がない」ことと「相続放棄」は別物
多くの方が混同しやすいのが、法的な「相続放棄」と、遺産分割協議における「実家を相続しない」という取り決めです。
他の相続人(兄弟姉妹など)がいる場合、話し合い(遺産分割協議)によって「長男が実家を相続し、次男は預貯金を相続する」といった分け方を決めることは可能です。この場合、次男は実家を相続しませんが、これは法的な「相続放棄」ではありません。あくまで「遺産分けの結果、実家を取得しなかった」という状態です。
この2つの違いを正しく理解していないと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。以下の表で主な違いを整理しました。
| 比較項目 | 法的な「相続放棄」 | 遺産分割協議で実家を継がない場合 |
|---|---|---|
| 手続きの場所 | 家庭裁判所 | 相続人同士の話し合い(協議) |
| 対象となる財産 | すべての財産(選別不可) | 特定の財産ごとに誰が継ぐか決定可能 |
| 借金(債務)の負担 | 一切負担しない | 法定相続分に応じて支払い義務が残る (債権者の承諾がない限り免れない) |
| 手続きの期限 | 自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内 | 期限はない(ただしお早めの対応が推奨される) |
特に注意すべきは借金の取り扱いです。遺産分割協議で「実家を継ぐ長男が借金もすべて引き受ける」と決めたとしても、銀行などの債権者に対してはその合意を主張できません。もし長男が返済を滞らせれば、実家を継がなかった次男にも法定相続分の返済義務が及ぶことになります。
限定承認という例外的な方法とその難易度
原則として「すべて放棄」か「すべて相続」かですが、例外として「限定承認」という方法も存在します。これは、相続したプラスの財産の範囲内でのみ、マイナスの財産(借金など)を返済し、残ればそれを受け取れるという制度です。
一見すると、実家の価値以上に借金があるか不明な場合に有効な手段に見えます。しかし、限定承認を行うには以下の条件があり、実務上は非常にハードルが高いのが現実です。
- 相続人全員が共同で申し立てを行う必要がある(一人でも反対すればできない)
- 手続きが非常に複雑で、完了までに時間がかかる
- 官報公告などの手続き費用がかかる
「実家だけ放棄したい」という単純な動機で利用するには不向きなケースが多く、あくまで「借金が過大になる可能性がある場合」の防衛策として検討されるのが一般的です。
相続放棄をすると預貯金やその他の財産はどうなるのか

相続放棄を検討する際、「不要な実家は手放したいが、預貯金などの現金は受け取りたい」と考える方は少なくありません。しかし、相続放棄は「被相続人(亡くなった方)の財産に対するすべての権利と義務を放棄すること」を指します。
したがって、実家などの不動産だけを選んで放棄し、預貯金だけを相続するという都合の良い選択はできないのが現実です。ここでは、相続放棄をした場合に預貯金やその他の財産が具体的にどのような扱いになるのかを解説します。
プラスの財産もマイナスの財産もすべて放棄することになる
相続放棄の手続きを行うと、法的には「初めから相続人ではなかった」ものとして扱われます。これにより、借金などの「マイナスの財産」を負う義務がなくなると同時に、預貯金や不動産といった「プラスの財産」を受け取る権利もすべて失います。
具体的にどのような財産が放棄の対象となるのか、以下の表で整理しました。
| 財産の種類 | 具体的な項目の例 | 相続放棄時の扱い |
|---|---|---|
| プラスの財産 (積極財産) |
|
一切受け取れない |
| マイナスの財産 (消極財産) |
|
一切支払う義務がなくなる |
ここで特に注意が必要なのが、相続放棄の手続きをする前に故人の預貯金を引き出して使ってしまったり、家財道具を勝手に処分してしまったりする行為です。
民法では、相続人が相続財産の全部または一部を処分した場合、相続することを認めた(単純承認)とみなされる規定があります。もし故人の預貯金を解約して自分の口座に移したり、私的に使い込んだりすると、後から相続放棄ができなくなるリスクがあるため、財産の扱いには細心の注意が必要です。
生命保険金や死亡退職金は受け取れる場合がある
相続放棄をするとすべての財産を受け取れないと説明しましたが、例外的に受け取れるお金も存在します。それは、民法上の「相続財産(遺産)」ではなく、「受取人固有の財産」とみなされるものです。
代表的なものとして、生命保険金(死亡保険金)や死亡退職金が挙げられます。これらは以下の条件によって、受け取れるかどうかが決まります。
生命保険金(死亡保険金)の場合
生命保険金の扱いは、契約時に指定された「受取人」が誰になっているかによって異なります。
- 受取人が「特定の相続人(妻や子供など)」に指定されている場合
保険金は受取人固有の権利として支払われるため、相続財産には含まれません。そのため、相続放棄をしていても問題なく生命保険金を受け取ることが可能です。 - 受取人が「被相続人(亡くなった本人)」になっている場合
この場合、保険金請求権自体が亡くなった方の財産(遺産)の一部となります。したがって、相続放棄をした場合は受け取ることができません。
死亡退職金の場合
会社から支給される死亡退職金も、勤務先の退職金規定(就業規則)の内容によって判断が分かれます。
- 規定で「遺族」が受取人として指定されている場合
遺族の生活保障という性質を持つため、受取人固有の財産とみなされ、相続放棄をしていても受け取れるケースが一般的です。 - 規定がなく、被相続人の財産として扱われる場合
通常の遺産と同じ扱いとなり、相続放棄をすると受け取れません。
また、遺族年金や未支給年金についても、遺族の生活を支えるための社会保障的な給付であるため、原則として相続放棄の影響を受けずに受給することができます。
ただし、これらのお金を受け取った場合でも、税法上は「みなし相続財産」として相続税の課税対象になることがあります。相続放棄をしたからといって相続税の申告が不要になるわけではない点には留意しておきましょう。
実家だけを手放したい場合に検討すべき5つの対処法

前章で解説した通り、家庭裁判所での「相続放棄」の手続きを行うと、実家だけでなく預貯金などのプラスの財産もすべて受け取れなくなります。「預貯金は欲しいが、不要な実家だけはいらない」という希望を叶えるためには、法的な相続放棄ではなく、一度相続した上で手放すための具体的なアクションを起こす必要があります。
ここでは、実家のみを処分し、資産を守るための5つの現実的な対処法について詳しく解説します。
相続してから売却して現金化する
最も一般的で経済的メリットが大きい方法は、実家を一度相続(単純承認)し、その後に売却して現金化する方法です。これを遺産分割の方法として「換価分割」と呼ぶこともあります。
不動産として所有し続けると固定資産税や維持管理費がかかり続けますが、売却すればそれらの負担から解放されるだけでなく、売却代金から諸経費を差し引いた残りを現金として取得できる点が最大のメリットです。
ただし、この方法をとる場合は、以下の点に留意する必要があります。
- 相続登記(名義変更)の費用がかかる
- 売却益が出た場合、譲渡所得税がかかる
- 買い手が見つかるまで管理を続ける必要がある
築年数が古く、一般の市場では売れにくい物件であっても、後述する不動産買取業者を利用することで早期に手放せる可能性があります。
相続土地国庫帰属制度を利用して国に引き渡す
「相続土地国庫帰属制度」は、相続したものの使い道がない土地を、一定の要件を満たした場合に国が引き取ってくれる新しい制度です(2023年4月開始)。
これを利用すれば、買い手がつかないような地方の土地でも手放せる可能性がありますが、建物がある場合は更地にする必要があり、解体費用は自己負担となる点に注意が必要です。また、審査手数料や10年分の土地管理費相当額(負担金)を納める必要があります。
| 項目 | 売却する場合 | 相続土地国庫帰属制度 |
|---|---|---|
| 建物の扱い | 古家付きで売れる場合がある | 原則として解体して更地にする必要がある |
| 金銭的収支 | 売却益が得られる可能性がある | 審査料と負担金の支払いが必要(支出のみ) |
| 手続きの難易度 | 不動産会社に依頼する | 法務局での審査・承認が必要 |
この制度はあくまで「土地」が対象であり、すべての不動産を引き取ってもらえるわけではありません。詳細は法務省の公式サイト等で要件を確認することをおすすめします。
自治体や法人への寄付を検討する
実家を自治体(市区町村)や法人に寄付することで手放す方法も考えられますが、実際にはハードルが非常に高いのが現状です。
自治体は、公園や公民館の用地として利用計画がある場合を除き、維持管理コストがかかる不動産の寄付を受け付けることはほとんどありません。「タダでもいいから引き取ってほしい」と申し出ても断られるケースが大半です。
また、法人への寄付の場合、寄付した側に「みなし譲渡所得」として所得税が課税されるリスクがあります。無償で手放したにもかかわらず税金だけが発生するという事態を避けるため、税理士等の専門家への相談が不可欠です。
隣地の所有者や知人に贈与する
売却が難しい物件でも、隣の土地の所有者であれば「土地を広げたい」というニーズがあるかもしれません。また、DIYを趣味とする知人などが空き家を欲しがっている場合もあります。
このような相手に無償(0円)、あるいは著しく低い価格で譲渡することを検討しましょう。ただし、受け取る側(贈与を受ける側)には以下の費用が発生するため、事前の合意形成が重要です。
- 贈与税(年間110万円を超える場合)
- 不動産取得税
- 登録免許税
トラブルを防ぐため、口約束ではなく贈与契約書を作成し、所有権移転登記を確実に行うことが大切です。
他の相続人に実家を相続してもらう遺産分割協議を行う
もし兄弟姉妹などの他の相続人がいる場合、遺産分割協議によって「誰か一人が実家を相続し、他の相続人は預貯金を受け取る」という取り決めを行うのが最もスムーズな解決策です。
例えば、長男が実家を相続し、次男と長女は預貯金を相続するといった形です。実家の価値と預貯金の額に大きな差がある場合は、実家を相続した人が他の相続人に現金(代償金)を支払う「代償分割」という方法もとれます。
この方法であれば、自分は実家の管理責任を負うことなく、正当な権利として金銭資産のみを取得することが可能です。ただし、実家を誰も欲しがらない(押し付け合いになる)場合は、前述した「換価分割(売却して現金を分ける)」を選択することになります。
実家を相続放棄する際に知っておくべき注意点とリスク

実家の相続放棄は、単に手続きを行えばすべての責任から解放されるという単純なものではありません。法律上の義務が残ったり、親族間で予期せぬトラブルに発展したりするリスクが潜んでいます。ここでは、相続放棄を検討する段階で必ず理解しておくべき4つの重要な注意点を解説します。
相続放棄をしても実家の管理義務が残る可能性がある
「相続放棄をすれば、実家の管理もしなくて済む」と考える方は多いですが、これは必ずしも正しくありません。民法の改正(令和5年4月1日施行)により、相続放棄をした者の管理責任(保存義務)に関するルールが明確化されました。
具体的には、相続放棄をした時点でその実家を「現に占有している」場合に限り、次の管理者に引き渡すまでの間、保存義務を負うこととされています。つまり、実家に住んでいたり、鍵を持って定期的に管理していたりした場合は、放棄後も管理を続ける必要があります。
| 状況 | 保存義務(管理義務)の有無 |
|---|---|
| 被相続人と同居していた場合 | あり(現に占有しているとみなされる可能性が高い) |
| 鍵を所持し、頻繁に出入りしていた場合 | あり(現に占有しているとみなされる可能性が高い) |
| 遠方に住み、長期間訪れていない場合 | なし(現に占有していないとされる) |
この保存義務は、「自己の財産におけるのと同一の注意」をもって行う必要があるとされており、建物の倒壊や火災などを防ぐ最低限の管理が求められます。管理責任を完全に免れるためには、次順位の相続人や、家庭裁判所で選任された相続財産清算人へ実家を引き渡す必要があります。
次順位の親族に相続権が移りトラブルになる恐れがある
相続放棄を行うと、その人は「初めから相続人ではなかった」ものとして扱われます。その結果、相続権は次順位の親族へと自動的に移動します。例えば、被相続人の子供全員が相続放棄をした場合、相続権は親(直系尊属)へ、親が亡くなっている場合は兄弟姉妹へと移っていきます。
問題となるのは、自分が相続放棄をした事実が、次順位の相続人に自動的には通知されないという点です。何も知らされていない親戚のもとに、ある日突然、固定資産税の通知書や借金の督促状が届くことになり、これが原因で親族関係が断絶するような大きなトラブルに発展するケースも少なくありません。
実家のような「負動産」を放棄する場合は特に、次順位の親族に対して「相続放棄をする予定である」または「相続放棄をした」という旨を、事前に連絡しておくことがマナーであり、トラブル回避の鉄則です。
相続放棄の手続きには3ヶ月という期限がある
相続放棄には厳格な期限が設けられています。民法第915条により、相続人は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内に、家庭裁判所で申述を行わなければなりません。この期間を「熟慮期間」と呼びます。
もし3ヶ月を過ぎてしまうと、原則として相続を「単純承認」したものとみなされ、実家を含めたすべての財産(借金などのマイナス財産も含む)を相続しなければならなくなります。ただし、財産調査に時間がかかるなどの正当な理由がある場合は、期限内に家庭裁判所へ申し立てることで、期間の伸長が認められることもあります。
また、期間内であっても以下のような行為を行うと、意思にかかわらず「単純承認」したとみなされ、相続放棄ができなくなるため注意が必要です。
- 実家の建物を解体する
- 実家を売却または譲渡する
- 家財道具を処分したり、形見分けとして持ち帰ったりする
- 実家の預貯金を解約して自分のために使う
実家の片付け(遺品整理)を行う際は、資産価値のあるものを勝手に処分しないよう、慎重に行動する必要があります。
生前に実家の処分や整理をしておくことの重要性
これまで解説した通り、死後に実家を相続放棄することには、管理義務の継続や親族間トラブル、厳しい期限といった多くのリスクが伴います。特に「誰も住む予定のない実家」は、相続発生後に慌てて対処しようとしても、スムーズにいかないことが多々あります。
そのため、親が元気なうちに家族で話し合い、生前のうちに実家を売却して現金化しておくことや、不要な家財を整理しておくことが最も確実なリスク回避策となります。生前に処分しておけば、相続発生時には現金として分割しやすくなり、相続放棄の手続き自体が不要になるケースもあります。
将来的な空き家リスクを避けるためには、先送りにせず、早い段階から不動産会社や専門家に相談し、対策を講じておくことが重要です。
実家の売却は不動産買取の専門店を利用するのが堅実

相続した実家を売却して現金化する場合、大きく分けて「不動産仲介」と「不動産買取」の2つの方法があります。一般的に住宅を売る際は仲介が選ばれることが多いですが、相続した実家、特に築年数が経過している物件や早期処分を望む場合には、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」の利用が最も堅実な選択肢となります。
仲介は「高く売れる可能性がある」反面、買い手が見つかるまで売却できず、その間の管理費や固定資産税の負担が続きます。一方、買取は価格こそ市場相場の7割~8割程度になる傾向がありますが、短期間で確実に手放すことができ、売却後のトラブルリスクも最小限に抑えられます。
それぞれの特徴を整理すると以下のようになります。
| 項目 | 不動産仲介 | 不動産買取 |
|---|---|---|
| 買い手 | 一般の個人 | 不動産会社 |
| 売却価格 | 市場相場通り(高くなる可能性あり) | 市場相場の70%~80%程度 |
| 売却期間 | 3ヶ月~1年以上(売れない可能性あり) | 数日~1ヶ月程度(確実に売れる) |
| 仲介手数料 | 必要(売買価格×3%+6万円+消費税) | 不要 |
| 契約不適合責任 | 売主が負う(数ヶ月間) | 免責(売主は責任を負わない) |
| 室内の状況 | 整理・清掃・リフォームが必要な場合あり | そのままの状態で引き渡し可能 |
買取専門店が直接買い取るため築古の実家でも売却可能
実家が築30年や40年を超えている場合、建物の老朽化が進んでおり、一般の個人に向けた仲介市場では敬遠されがちです。買い手である個人は、購入後のリフォーム費用や建物の安全性を懸念するためです。しかし、不動産買取専門店であれば、自社でリフォームやリノベーションを行って再販することを前提としているため、築古物件であっても問題なく買い取ってもらえます。
また、仲介で売却する場合、内覧のために部屋を片付けたり、場合によっては解体して更地にしないと売れなかったりすることがあります。買取であれば、家具や家財道具が残っている状態(残置物あり)や、建物が古いままでも「現状渡し」で引き受けてくれる業者が多く、相続人の手間を大幅に削減できるメリットがあります。
好立地でもなく問題のある物件でも売却可能
「駅から遠い」「道路が狭くて車が入らない」「再建築ができない」といった条件の悪い実家は、一般の市場ではほとんど需要がありません。相続放棄を検討する方の多くは、こうした「売れにくい実家」の扱いに困っています。このような物件こそ、買取専門店の利用が推奨されます。
買取業者の中には、訳あり物件や再建築不可物件などを専門に扱う会社が存在します。彼らは独自のノウハウで土地を活用したり、隣地と合わせて開発したりすることで収益化を図るため、一般の不動産会社が断るような悪条件の物件であっても値段をつけて買い取ってくれる可能性が高いのです。売れない実家を抱え続けて固定資産税を払い続けるよりも、多少安値であっても買取で手放してしまう方が、長期的な経済的損失を防ぐことにつながります。
契約不適合責任が一切無くなる
相続した実家を売却する際に最も注意しなければならないのが「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」です。これは、売却後に雨漏りやシロアリ被害、配管の故障などの不具合が見つかった場合、売主がその修理費用を負担したり、契約解除に応じたりしなければならないという責任です。実家の事情に詳しくない相続人にとって、この責任は大きなリスクとなります。
しかし、不動産買取を利用して業者に売却する場合、多くのケースでこの契約不適合責任を免責(責任を負わない)とする特約を結ぶことができます。
買い手である不動産会社はプロであり、建物の不具合も含めてリスクを判断して価格を提示しているため、売却後に不具合が出ても売主に責任を追求しないことが一般的です。売却した後に「修理代を払ってほしい」という連絡に怯えることなく、安心して相続手続きを完了させることができる点は、精神的にも非常に大きなメリットと言えるでしょう。
まとめ

実家のみを対象とした相続放棄は原則として認められず、行う場合は預貯金を含む全てのプラスの財産も手放さなければなりません。そのため、実家だけを処分したい場合は、一度相続したうえで売却や贈与、「相続土地国庫帰属制度」の利用を検討するのが現実的な対処法となります。
特に築年数が古い物件や管理が難しい実家は、契約不適合責任が免責される不動産買取業者への売却が堅実な選択肢です。相続放棄には3ヶ月という期限があり、放棄後も管理義務が残るリスクがあるため、早めに専門家へ相談し、最適な解決策を見つけましょう。
空き家の買取について、さらにくわしく知りたい方、具体的に売却をお考えの方は、ぜひ東京都中央区に拠点を置く訳あり物件買取センターにご相談ください。豊富な経験と専門知識を持つスタッフが、あなたに最適な選択をサポートいたします。