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空き家の解体費用の相場は?坪単価や安く抑えるコツを徹底解説

空き家の解体費用の相場は?坪単価や安く抑えるコツを徹底解説

空き家の解体費用、相場を知らずに依頼すると数十万円の損をしてしまうかもしれません。解体費用は建物の構造や立地で大きく変動しますが、正しい知識があれば「安く、安全に」更地に戻すことが可能です。 本記事では、30坪〜50坪の…

この記事の監修者
  • 虎ノ門桜法律事務所 / 代表弁護士:伊澤 大輔
    虎ノ門桜法律事務所 / 代表弁護士
    伊澤 大輔
    経歴:
    2001年弁護士登録。虎ノ門桜法律事務所代表弁護士。
    不動産会社(売買、賃貸、仲介、管理、共有物分割、競売等)等、顧問先多数。
    元暴力団追放運動推進都民センター相談委員、同センター不当要求防止責任者講習講師。
  • 宅地建物取引士:杉本 英紀
    宅地建物取引士
    杉本 英紀
    経歴:
    2000年より不動産業に従事。2004年に宅地建物取引士を取得。
    借地権にとどまらず、再建築不可、私道持分なし、道路未接道、事故物件、収益ビル、倉庫、アパート、マンションなど、全ての訳アリ物件に愛された男。
    訳アリ物件のエキスパート、ブリリアント杉本。
    趣味はバイクツーリング。どんな悪路でも物件見に行けます。

空き家の解体費用、相場を知らずに依頼すると数十万円の損をしてしまうかもしれません。解体費用は建物の構造や立地で大きく変動しますが、正しい知識があれば「安く、安全に」更地に戻すことが可能です。

本記事では、30坪〜50坪の解体相場から、費用を最小限に抑える裏ワザ、そして見積書の怪しい項目を見抜く方法までをプロの視点で徹底解説。損をしないためのポイントを凝縮しました。スムーズな解体への第一歩として、ぜひ最後までお読みください。

空き家の解体費用はいくらかかる?目安となる平均坪単価

空き家の解体費用はいくらかかる?目安となる平均坪単価

空き家など家の解体費用を算出する際、最も基本となる指標が「坪単価」です。しかし、解体費用は建物の構造(木造、鉄骨造、RC造など)によって大きく異なります。また、近年は人件費の高騰や廃棄物処理費用の値上げにより、相場は上昇傾向にあります。

一般的に、解体費用の総額は以下の計算式で概算できます。

解体費用総額 = (坪単価 × 延べ床面積) + 廃棄物処理費用 + 付帯工事費 + 諸経費

まずは、建物の構造ごとの平均的な坪単価の目安を確認しましょう。これらはあくまで建物本体を取り壊すための費用の目安であり、家財道具の処分費やブロック塀などの外構撤去費は含まれていない点に注意が必要です。

建物の構造 坪単価の目安(円) 特徴
木造住宅 35,000円 ~ 60,000円 一般的な戸建てに多い。工期は比較的短いが、廃材の分別に手間がかかる。
鉄骨造(S造) 40,000円 ~ 70,000円 軽量鉄骨と重量鉄骨で単価が異なる。木造よりも強固なため解体費用は高くなる。
鉄筋コンクリート(RC造) 60,000円 ~ 90,000円 非常に頑丈で解体に大型重機が必要。騒音・振動対策も必須で費用は最も高い。

30坪の木造一軒家における解体費用の目安

日本国内で最も多い「30坪程度の木造2階建て住宅」を解体する場合、費用総額の目安は100万円から180万円程度が相場となります。

30坪という広さは、重機を使用した効率的な作業がしやすいケースが多く、坪単価は標準的な範囲に収まりやすい傾向があります。しかし、解体費用は建物本体の工事費だけではありません。以下のような内訳を理解しておくことが重要です。

  • 仮設工事費:足場の設置や養生シートにかかる費用。近隣への粉塵飛散を防ぐために必須です。
  • 解体工事費:重機と作業員による取り壊し作業の人件費および機材費です。
  • 廃棄物処理費:木くず、コンクリートガラ、プラスチックなどの廃材を処分する費用です。

特に注意が必要なのは、屋内に家具や家電が残っている場合です。これらは「残置物」として扱われ、別途処分費用が請求されるため、解体工事前にご自身で可能な限り片付けておくことが節約のポイントとなります。

40坪から50坪の広めの家における解体費用の目安

40坪から50坪といった広めの住宅、あるいは二世帯住宅などの場合、解体費用の総額目安は150万円から250万円程度と高額になります。

面積が広くなる分、坪単価自体は30坪の住宅と比較して割安になるケースもあります(スケールメリットが働くため)。しかし、総額で見れば当然高くなります。また、広い家は庭木や庭石、カーポートや物置などの「付帯工事」が発生する可能性が高く、これらが追加費用として積み重なることが一般的です。

また、50坪を超えるような大きな建物の場合、廃材の排出量も膨大になります。4トントラックなどの大型車両が敷地内に入れない場合、小型トラックで何度も往復することになり、運搬費や人件費が割高になるリスクがあることも想定しておく必要があります。

地域や立地条件による坪単価の違い

解体費用の坪単価は、全国一律ではありません。地域や現場の立地条件によって、見積もり金額に数十万円の差が出ることがあります。

まず地域差についてですが、東京や大阪などの都市部は人件費や廃棄物処理施設の利用料が高く設定されているため、地方と比較して坪単価が高くなる傾向にあります。一方で、地方であっても処理施設までの距離が遠い場合は、運搬コストが上乗せされることがあります。

さらに重要なのが「立地条件」です。以下のような条件に当てはまる場合、坪単価は相場よりも高くなります。

条件 費用が高くなる理由
前面道路が狭い 重機やトラックが入れず、小型重機や手作業(手壊し)が必要になるため工期が延びる。
隣家との距離が近い 慎重な作業が求められ、防音・防塵のための高度な養生が必要になる。
傾斜地や段差がある 重機の搬入が困難で、足場の設置にも特殊な技術が必要になる。

特に「重機が入らない」という条件は致命的で、すべて手作業で解体する「手壊し解体」となると、工期が2倍以上かかり、費用も通常の2倍近くに跳ね上がるケースも珍しくありません。見積もりを依頼する際は、必ず現地調査をしてもらい、立地条件による追加費用の有無を確認しましょう。

空き家の解体費用が高額になるケースと追加料金

空き家の解体費用が高額になるケースと追加料金

解体工事の見積もりを取った際、多くの人が「想定していた坪単価の計算よりも高い」と感じることがあります。その原因のほとんどは、建物の立地条件や構造、そして建物本体以外の付帯工事にあります。

広告などで目にする「坪単価」は、あくまで「重機がスムーズに入り、建物本体のみを壊す場合」の最低ラインであることが一般的です。ここでは、どのような条件下で費用が跳ね上がるのか、追加料金が発生しやすいポイントを具体的に解説します。

重機が入らない狭小地での手壊し解体

解体費用を最も大きく左右するのが、重機(ショベルカーなど)が使用できるかどうかです。一般的な解体工事では重機を使って効率的に取り壊しを行いますが、前面道路の幅が狭かったり、敷地の入り口が狭かったりして重機が搬入できない場合、「手壊し解体(人力解体)」となります。

手壊し解体となると、職人がバールやチェーンソーを使って手作業で解体し、廃材も手運びでトラックまで搬出する必要があります。そのため、重機併用時に比べて工期が2倍〜3倍近くかかり、その分だけ人件費が大幅に高額になります。

また、道路幅が4メートル未満の狭い道路に面している場合、大型のダンプカーが入れず、軽トラックや2トントラックで何度も往復して廃材を運搬することになります。これにより運搬費やガソリン代も嵩むため、通常の相場よりも割高になることを覚悟しなければなりません。

隣家との距離が近い場合の養生と安全対策

住宅密集地などで、隣の家との隙間が数十センチしかないようなケースでは、解体工事の難易度が上がります。隣家を傷つけないよう慎重な作業が求められるだけでなく、騒音・振動・粉塵(ホコリ)の飛散を最小限に抑えるための高度な対策が必要です。

具体的には、通常よりも厚手で防音性の高い養生シートを使用したり、頑丈な足場(単管足場など)を組んだりする費用が発生します。また、隣接する壁面ギリギリの場所は重機を使わず、手作業で慎重に切り離す作業(縁切り)が必要になることもあります。

さらに、通学路や人通りの多い道路に面している場合は、歩行者の安全を確保するための交通誘導員(ガードマン)を配置する費用が追加されることが一般的です。これらの安全対策費は、トラブルを避けるために削ることのできない重要なコストです。

庭木やブロック塀などの外構撤去費用

「家の解体費用」として提示される坪単価には、通常、庭木、ブロック塀、カーポート、物置などの「外構(付帯設備)」の撤去費用は含まれていません。これらは「付帯工事費」として別途計上されます。

特に見落としがちなのが、庭石や立派な庭木の処分です。庭石は重量があるため処分費が高く、大きな樹木は伐採・抜根に専用の重機が必要になることがあります。以下に、代表的な付帯工事の費用目安を整理しました。

撤去項目 費用の目安 備考
ブロック塀 1m²あたり 5,000円〜10,000円 高さや厚み、基礎の深さにより変動します。
庭木(伐採・抜根) 1本あたり 10,000円〜50,000円 幹の太さや高さにより大きく異なります。
カーポート 1台分 30,000円〜50,000円 アルミ製かスチール製か等で処分費が変わります。
物置(スチール製) 1基 20,000円〜40,000円 中身が空の状態での撤去費用です。
浄化槽 1基 30,000円〜70,000円 事前に清掃・消毒(汲み取り)が必要です。

見落としがちな「地中埋設物」と「アスベスト」

見積もり段階では正確な金額が出せず、工事が始まってから追加費用として請求される可能性が高いのが「地中埋設物」と「アスベスト(石綿)」です。

地中埋設物の発見

建物を解体した後、更地にするために地面を掘り起こした際、以前の建物の基礎、古井戸、浄化槽、瓦礫などが地中から出てくることがあります。これらを「地中埋設物」と呼びます。これらが発見された場合、そのまま埋め戻すことは不法投棄になるため、追加で撤去・処分費用を支払って適正に処理しなければなりません。

アスベスト(石綿)の除去

2006年以前に建てられた建物には、断熱材や屋根材などにアスベストが含まれている可能性があります。アスベストが含まれている場合、飛散防止のための厳重な養生や、専門資格者による作業が法律で義務付けられており、通常の解体よりも費用が高額になります。

現在は法改正により、解体工事前の事前調査が原則義務化されています。詳しくは環境省の案内などを確認し、適切な手順を踏んでいる業者かを見極めることが大切です。
参考:建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル(環境省)

室内の家具やゴミ(残置物)の処分費用

家の中に残された家具、家電、衣類、布団、食器などの「残置物」を解体業者に処分してもらう場合、それらは「産業廃棄物」扱い(または産業廃棄物と一般廃棄物の混合)となることが多く、処分単価が高くなります。

4トントラック1台分の残置物処分で、およそ10万円〜20万円程度の追加費用がかかるケースも珍しくありません。少しでも費用を抑えるためには、解体工事が始まる前に自分で自治体の粗大ゴミ回収に出すか、リサイクルショップを利用して家の中を空にしておくことが非常に有効です。

空き家の解体費用を賢く節約する具体的な方法

空き家の解体費用を賢く節約する具体的な方法

空き家など家の解体費用は、工夫次第で数十万円単位のコストダウンが可能です。見積もり金額をそのまま受け入れるのではなく、利用できる制度やタイミングを見極めることが重要です。ここでは、解体費用を安く抑えるための具体的な5つの方法を解説します。

自治体の補助金・助成金制度を最大限に活用する

解体費用を節約するうえで最も効果的なのが、自治体が提供する補助金や助成金の活用です。国や自治体は空き家対策に力を入れており、条件を満たせば解体費用の一部が支給されます。

補助金の名称や条件は自治体によって異なりますが、一般的に以下のような制度が設けられています。

補助金の名称例 対象となる建物の特徴 補助金額の目安
老朽危険家屋解体撤去補助金 倒壊の恐れがあり、危険度が高いと認定された家屋 解体費用の1/5~1/2程度
(上限30万~100万円)
都市景観形成地域内建造物解体費助成 景観を守るために指定された地域にある建物 解体費用の1/3~2/3程度
(上限あり)
木造住宅解体工事費補助金 耐震基準を満たさない古い木造住宅 20万~50万円程度

これらの補助金を利用する際の最大の注意点は、必ず解体工事の契約・着工前に申請を行うことです。工事が始まってからでは申請できないケースがほとんどですので、まずは役所の窓口やホームページで「〇〇市 解体 補助金」と検索し、制度の有無を確認しましょう。

家財道具や不用品は自分で処分して撤去費用を減らす

解体業者が提示する見積もりには、建物本体の解体費だけでなく、屋内に残された家財道具(残置物)の処分費用も含まれている場合があります。この残置物を業者に依頼すると「産業廃棄物」として処理されることが多く、処分単価が高額になりがちです。

一方で、自分たちで家庭ゴミ(一般廃棄物)として地域のゴミ収集に出したり、クリーンセンターへ持ち込んだりすれば、費用は無料または数千円程度で済みます。タンス、ソファ、布団、衣類、食器などは、解体工事が始まる前に自分たちで処分して空の状態にしておくことで、数万円から十数万円の節約につながります。

解体工事の繁忙期を避けて依頼する

解体業界にも繁忙期と閑散期があり、依頼する時期によって見積もり金額が変動することがあります。特に公共工事が増え、年度末の決算に向けて駆け込み需要が高まる12月から3月にかけては繁忙期となり、費用が割高になる傾向があります。

逆に、梅雨時期や年度初めの4月から6月頃は比較的業者のスケジュールに空きが出やすく、値引き交渉に応じてもらいやすい狙い目の時期です。解体を急がないのであれば、繁忙期を避けてスケジュールを組むことで、適正価格またはそれ以下での契約が期待できます。

空き家解体ローンやフリーローンの活用

解体費用を現金で一括払いするのが難しい場合は、金融機関が取り扱っている「空き家解体ローン」の活用を検討しましょう。これは総額の節約ではありませんが、手元の資金負担を平準化する賢い方法です。

多くの地方銀行や信用金庫では、空き家対策の一環として、無担保・無保証人で利用できる専用ローンを用意しています。一般的なフリーローンよりも低金利で設定されていることが多く、解体後の土地活用が決まっていなくても借り入れが可能です。また、建て替えを前提とする場合は、住宅ローンの先行融資として解体費用を組み込めることもあるため、金融機関に相談してみると良いでしょう。

古家付き土地として売却する選択肢

そもそも「解体しない」という選択肢もあります。建物を解体して更地にするのではなく、「古家付き土地」として現状のまま売却する方法です。

この方法には以下のメリットとデメリットがあります。

  • メリット:解体費用(100万~200万円程度)を売主が負担しなくて済む。また、建物が残っていることで「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が安く抑えられている状態で売却活動ができる。
  • デメリット:買主が解体費用を負担することになるため、その分を売買価格から値引きするよう交渉されるケースが多い。また、新築用地を探している層からは敬遠されやすい。

立地条件が良く、土地としての需要が高いエリアであれば、解体せずにそのまま売りに出し、買い手がつかなければ解体を検討するという順序で進めるのが、リスクを最小限に抑える賢い方法です。

悪徳業者に騙されないための見積書チェックポイント

悪徳業者に騙されないための見積書チェックポイント

解体工事において、最もトラブルが起きやすいのが「費用」と「近隣対応」です。特に費用に関しては、工事開始後に追加料金を不当に請求されたり、不法投棄の片棒を担がされたりするリスクがあります。

優良な解体業者を見極めるための最大の材料は、契約前に提出される「見積書」です。金額の安さだけで決めるのではなく、見積書の内容が具体的かつ適正であるかを細かくチェックすることが、自身の身を守ることに繋がります。

一式見積もりの危険性と詳細内訳の重要性

見積書を確認する際、最も警戒すべきなのが「解体工事一式」という記載のみで、詳細な内訳が書かれていないケースです。これを「どんぶり勘定」と呼びます。

「一式 〇〇万円」という見積もりは一見分かりやすく見えますが、工事の範囲が不明確であるため、後から追加費用を請求される温床となります。例えば、地中埋設物が見つかった場合や、庭木の撤去が含まれていなかった場合などに、「それは見積もりに含まれていない」と言われれば、依頼主は反論できません。

信頼できる業者の見積書には、足場代、重機回送費、人件費、廃棄物処分費などが項目ごとに細かく記載されています。以下に、良い見積書と悪い見積書の例を整理しました。

チェック項目 良い見積書の記載例 悪い見積書の記載例(要注意)
本体工事費 木造2階建解体 30坪 × 単価〇〇円 解体工事一式
廃棄物処分費 木くず 〇〇㎥、コンクリートガラ 〇〇㎥ 残材処分費一式(または記載なし)
仮設工事費 防音シート養生 〇〇㎡ × 単価〇〇円 養生費一式
付帯工事費 ブロック塀撤去 〇〇m、庭木撤去 〇〇本 (記載なしで口頭約束のみ)

このように、単価と数量(㎡や㎥、坪数など)が明記されているかを確認してください。もし「一式」という言葉が多い場合は、遠慮せずに「この一式には具体的に何が含まれていますか?」と質問し、内訳の再提出を求めることをおすすめします。

「別途」や「要相談」の項目にも注意

見積書の備考欄に「地中埋設物は別途」や「アスベスト除去費用は別途」と記載されていることは一般的です。これらは実際に掘ってみたり調査したりしないと判明しないためです。

しかし、最初から予測できる範囲の項目まで「別途」とされている場合は注意が必要です。契約前に、「追加料金が発生する可能性があるのは具体的にどのようなケースか」を業者に確認し、書面に残してもらうと安心です。

マニフェストの発行と廃棄物の適正処理

解体工事で出た廃材(産業廃棄物)がどのように処理されるかを確認することも、施主の重要な責任です。悪徳業者の中には、処分費用を浮かせるために不法投棄を行うケースが存在します。

不法投棄が発覚した場合、実行した業者だけでなく、工事を依頼した施主(発注者)も法的責任を問われる可能性があります。これを防ぐために必ず確認すべきなのが「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」です。

マニフェスト(産業廃棄物管理票)とは

マニフェストとは、産業廃棄物の処理が適正に行われたことを確認するための伝票です。排出事業者(解体業者)から収集運搬業者、処分業者へと廃棄物が渡るたびに伝票が回され、最終的に処理が完了したことを証明します。

見積もりの段階や契約前に、以下の点を確認してください。

  • 見積書に「廃棄物処分費」が適正な価格で計上されているか(安すぎる場合は不法投棄のリスクあり)
  • 「工事完了後にマニフェストの写し(E票など)を提出してもらえますか?」と質問する

「マニフェストの提出はできない」「うちは独自のルートがあるから不要」などと答える業者は、法律を遵守していない可能性が高いため、依頼を避けるべきです。

解体工事業の許可証を確認する

見積書を受け取った際、その業者が正規の解体業者であるかを確認するために、会社概要や見積書の隅に記載されている「許可番号」をチェックしましょう。

解体工事を行うには、以下のいずれかの許可・登録が必要です。

  • 建設業許可(解体工事業、土木工事業、建築工事業のいずれか):500万円以上の大規模な工事も可能
  • 解体工事業登録:請負金額500万円未満の工事が可能

これらの許可を持たずに営業している業者は違法業者です。国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」などを利用すれば、その業者が本当に許可を得ているか、行政処分を受けていないかを確認することができます。

空き家の解体工事の流れと期間の目安

空き家の解体工事の流れと期間の目安

解体工事は単に建物を壊すだけでなく、事前の申請や近隣への配慮、廃棄物の処理など、多くの工程を経て完了します。工事全体の流れを把握しておくことは、建て替えや土地売却のスケジュールを円滑に進めるために非常に重要です。ここでは、一般的な木造住宅を例に、着工から完了までのステップと、構造別の工期目安について解説します。

解体工事着工から完了までの一般的な手順

解体工事は、騒音や振動、粉塵の発生が避けられないため、トラブルを未然に防ぐための準備が工事そのものと同じくらい重要になります。主な流れは以下の通りです。

1. ライフラインの停止と近隣への挨拶回り

工事が始まる前に、電気・ガス・水道・電話・インターネットなどのライフラインの停止手続きを行います。ただし、水道に関しては解体工事中の散水(粉塵飛散防止)に使用するため、解約せずに残しておくケースが一般的です。事前に業者と打ち合わせを行いましょう。

また、着工の1週間から10日前までには、業者と一緒に近隣住民への挨拶回りを行います。工期や作業時間、緊急連絡先を伝えておくことで、騒音や振動に対する理解を得やすくなり、クレームのリスクを低減できます。

2. 足場の設置と養生・内装解体

安全確保と近隣への粉塵飛散を防ぐため、建物の周囲に足場を組み、養生シート(防音シート)で建物を覆います。その後、建物内部の残置物(もしあれば)や、窓ガラス、畳、建具、断熱材などの内装材を手作業で撤去します。この分別解体は、建設リサイクル法により義務付けられています。

また、2022年4月以降、着工前に石綿(アスベスト)の使用有無に関する事前調査結果の報告が義務化されました。この調査を経てから本格的な解体作業に入ります。

3. 建物本体の解体と廃材の搬出

重機を使用して、屋根、柱、壁、梁などの構造体を解体します。ホコリが舞わないよう水を撒きながら慎重に作業を進めます。基礎部分(コンクリート)の解体は振動が大きくなりやすいため、特に慎重に行われます。

解体によって発生した木くず、コンクリートガラ、金属くずなどの産業廃棄物は、品目ごとに分別してトラックに積み込み、処分場へ搬出します。この際、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を用いて適正に処理されたことを管理します。

4. 整地と工事完了の確認

建物の撤去が終わったら、地中にコンクリート片や浄化槽などの埋設物が残っていないかを確認し、地面を平らに均します(整地)。最後に施主立ち会いのもと、現地を確認して工事完了となります。

構造・坪数別に見る工事期間の目安

解体工事にかかる日数は、建物の「構造」と「大きさ(延床面積)」によって大きく異なります。また、天候や立地条件(重機が入れるかどうか)によっても変動しますが、目安となる期間は以下の通りです。

建物の構造 坪数の目安 工期の目安(実働日数)
木造住宅 約30坪 7日~10日
木造住宅 約50坪 10日~14日
鉄骨造(S造) 約30坪 10日~14日
鉄筋コンクリート造(RC造) 約30坪 14日~20日以上

これらはあくまで順調に進んだ場合の日数です。梅雨や台風の時期、降雪地帯の冬場などは工期が延びる可能性が高いため、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。また、重機が入れない狭小地での「手壊し解体」となる場合は、上記の日数よりもさらに時間がかかります。

解体工事に伴う必要な届け出と手続き

解体工事には、法律で定められたいくつかの届け出が必要です。これらを怠ると過料を科される場合があるため注意が必要です。

建設リサイクル法の届け出

延床面積が80平方メートル(約24坪)以上の建物を解体する場合、着工の7日前までに都道府県知事などへ届け出を行う必要があります。一般的には解体業者が代行して提出してくれますが、委任状への署名・捺印が必要です。

参考:建設リサイクル法の概要 – 国土交通省

建物滅失登記(たてものめっしつとうき)

工事完了後、最も重要な手続きが「建物滅失登記」です。これは法務局の登記簿上から建物の情報を消す手続きで、建物を取り壊してから1ヶ月以内に申請することが法律で義務付けられています。

この手続きを怠ると、存在しない建物に対して固定資産税がかかり続けたり、土地の売却ができなくなったりするほか、10万円以下の過料に処される可能性があります。土地家屋調査士に依頼するのが一般的ですが、自分で行うことも可能です。

参考:建物を取り壊した(建物滅失の登記) – 法務局

まとめ

空き家の解体費用の相場は?坪単価や安く抑えるコツを徹底解説まとめ

空き家など家の解体費用は、建物の構造や坪数に加え、重機が入らない狭小地などの立地条件によって大きく変動します。適正な相場を把握した上で、繁忙期を避ける工夫や自治体の補助金、解体ローンの活用が費用を抑えるための重要なポイントです。

また、トラブルを未然に防ぐためには、費用の安さだけで業者を選ばず、詳細な内訳が記載された見積もりを提示する信頼できる会社を見極める必要があります。一式見積もりのリスクを理解し、廃棄物の適正処理を行う業者を選定しましょう。まずは複数の業者に現地調査を依頼し、相見積もりで比較検討することをおすすめします。

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