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借地権と固定資産税の関係性について!借地人には支払い義務がない?

借地権を設定するときにはさまざまな税金が課税されますが、とくに固定資産税との関係性について理解しておく必要があります。

固定資産税は地代の算出にも利用され、借地人・地主双方に大きな影響を与えるからです。

本記事では、借地権と固定資産税の関連性や固定資産税から地代を計算する方法などについて解説しています。

借地権と固定資産税の関係性を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

借地権と固定資産税の関係性

借地権を設定するときには、借地権と固定資産税の関係について理解しておかなければいけません。

理解しておくべき借地権と固定資産税との関係は、次のとおりです。

  • 借地人は土地の固定資産税の支払い義務はない
  • 建物には固定資産税がかかる
  • 地主には税軽減のメリットがある

借地権と固定資産税との関係性については、借地人にも地主にも影響を与えるため、どちらの人も内容を把握しておく必要があります。
借地権と固定資産税との関係性を理解し、税金の支払いをおこなっていきましょう。

借地人は土地の固定資産税の支払い義務はない

借地人には、土地の固定資産税の支払い義務はありません。

固定資産税の納税義務があるのは、1月1日現在、固定資産や償却資産を所有している人です。借地人は土地を借りているだけであり、土地を所有しているわけではないため、土地の固定資産税の支払い義務はありません。

土地を所有しているのは地主であり、土地の固定資産税の支払い義務は地主にあります。借地人は土地の固定資産税を支払わなくてよいため、税負担が軽くなります。

建物には固定資産税がかかる

建物には固定資産税が課税されるため、借地人は建物の固定資産税を払わなければいけません。

借地権は建物を所有する目的で土地を借りるため、借地人は建物を建築して地代を払う必要があります。
また、建物を所有するということは、借地人が建物の固定資産税を払わなければいけないということになるのです。

地主には税軽減のメリットがある

地主は土地の所有者であるため土地の固定資産税を払わなければいけませんが、借地権を設定することで固定資産税と相続税の税軽減を図ることが可能です。

たとえば、借地上に住宅を建築してもらえば、固定資産税の軽減措置である「住宅用地の特例」が適用されます。

住宅用地の特例とは、住宅が建っている敷地の固定資産税評価額を減らすことができ、結果固定資産税も減額されるという軽減措置です。

住宅用地の特例が適用されると、次の表のように固定資産税評価額が軽減されます。

住宅の敷地面積 固定資産税評価額の軽減率
小規模用土地(200㎡以下) 固定資産税評価額 × 1/6
一般住宅用地(200㎡を超える部分) 固定資産税評価額 × 1/3

住宅用地の特例は土地に住宅が建っているだけで適用され、一戸建てやマンション、アパートなど居住用の建物であればどのような形態でも適用されます。ただし、ホテルやオフィスなどの事業用建物には適用されません。

また、土地に借地権を設定すると相続税の負担も軽減されます。

土地に借地権が設定されると地主は土地を自由に使えなくなるため、土地の相続税評価額が下がり相続税額も下がるわけです。

一般的な借地権であれば、次の計算式で土地の相続税評価額を計算できます。

借地の相続税評価額 = 更地の価格 × 借地権割合

借地権割合は国税庁のホームページ「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で調べることが可能です。

市街地のような路線価が設定されている地域の場合、産評価基準書 路線価図・評価倍率表で調べたい土地の場所を探し、その土地に該当する借地権割合を確認します。
借地権割合はアルファベットのA~G(90%〜30%)で記載されているため、どのアルファベットに該当するのか調査します。

また、郊外のような路線価が設定されていない地域では、評価倍率表を利用して調査することが可能です。
調べたい土地の住所に該当する倍率を調べ、固定資産税評価額に倍率を乗じれば土地の相続税評価額が算出できます。

どちらの計算方法を用いても、土地の相続税評価額は落ちるようになっています。
そのため、借地権を設定して土地を貸すだけで、相続税の減税を図ることが可能です。

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借地の固定資産税が地代に影響する

借地の固定資産税は地代を決める基準になるため、固定資産税の税額によって地代が変わります。
固定資産税は地代に大きく影響するため、どのように影響するのかを理解しておくことが大切です。

ここからは、借地の固定資産税が地代に与える影響について解説しますので、地代が変動する理由や地代の設定方法について知りたい人はぜひ参考にしてください。

地代が値上がりする可能性がある

借地の固定資産税は地代に影響するため、固定資産税が上がると地代も上がります。

地主は理由もなく地代を上げることはできませんが、固定資産税などの税金の上昇や近隣の地代相場が上昇したときには、地代の値上げができると借地借家法で認められています。
そのため、固定資産税が増税されれば、地代の増額請求もできるということです。

しかし、増額できる幅については地主と借地人との話し合いで決定することになります。もし話し合いがうまく進まないのであれば、調停を経て裁判を起こすことも可能です。

固定資産税が地代設定の目安になる

固定資産税は地代の設定目安となり、一般的には次のような計算式で算出します。

年間の地代の目安 = 固定資産税評価額 ×(固定資産税率 + 都市計画税率)× A
Aは住宅地の場合3倍~5倍、商業地の場合は5倍~8倍

次のような条件である場合、月の地代がいくらになるのか計算してみましょう。

  • 住宅地(3倍で計算)
  • 固定資産税評価額2,500万円
  • 固定資産税率1.4%
  • 都市計画税率0.3%
2,500万円 ×(1.4% + 0.3%)× 3 ÷ 12ヶ月 = 約10万6,000円(月の地代)
※上記は固定資産税・都市計画税の軽減については考慮しておりません。

この計算式でわかるとおり、固定資産税評価額が高くなればなるほど地代も上がっていきます。
借地権を設定するときには固定資産税評価額を地主から聞き、地代の目安がどのくらいになるのか確認しておくことが大切です。

借地権における固定資産税とは?

固定資産税は借地権と切り離せない関係にあるため、固定資産税の内容を理解しておかなければいけません。

理解しておくべき固定資産税の内容は、次のとおりです。

  • 土地や建物の所有者に課税される
  • 固定資産税額が決まる仕組み
  • 固定資産税額の計算方法

固定資産税の内容を理解しておけば、借地権を設定したときの税負担の度合いがわかります。
借地権を設定する前には固定資産税の基礎知識も得ておき、いくらくらい固定資産税が課税されるのか知っておきましょう。

土地や建物の所有者に課税される

固定資産税は、土地や建物のような固定資産に課税される税金です。

固定資産を所有し続けている限り課税され、土地と建物それぞれに課税されます。
そのため、借地権を設定している場合、土地の固定資産税は地主が納税し、建物の固定資産税は借地人が納税しなければいけません。

固定資産税は不動産の所在している地域に関係なく課税されますが、用途地域が設定されている地域の不動産には都市計画税も課税されます。
用途地域とは街並みを整備するために設定された地域で、市街地や郊外の開発団地などに設定されている都市計画法の地域です。

都市計画法の用途地域内にある不動産を所有している場合、固定資産税に加え都市計画税もあわせて納税しなければいけません。

固定資産税額が決まる仕組み

固定資産税は、固定資産税評価額を元にして算出される税金です。

固定資産税評価額は3年に1度、評価替えがおこなわれて評価額が見直しされます。
3年の間に地価が上昇していれば土地の固定資産税評価額も上がり、下落していれば土地の固定資産税評価額も下がります。

また、建物の固定資産税評価額は、固定資産税の課税時点で建物を再建築したらいくらかかるかを計算し、築年数に応じて補正を乗じて算出されます。

固定資産税額の計算方法

固定資産税の計算方法は、次の計算式を使い算出します。

固定資産税 = 固定資産税課税標準額 × 1.4%(標準税率)

固定資産税課税標準額とは、固定資産税評価額を補正した数値です。

たとえば、住宅用地の特例を受けている200㎡の土地の場合、固定資産税評価額に1/6を乗じた数値が固定資産税課税標準額になります。

税率に関しては1.4%が標準と定められているだけであり、各自治体によって税率を変更できます。そのため、固定資産税の税率が1.5%、1.6%の自治体も存在するため注意しましょう。

借地権における固定資産税以外の税金

借地権を設定するときには、固定資産税以外の税金も課税されます。

借地権を設定するときに課税される主な税金は、次のとおりです。

  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 不動産取得税

これらの税金がどのようなときに課税されるのか、いくらくらい課税されるのか理解しておきましょう。

印紙税

印紙税とは、印紙税法に定める課税文書を作成するときに課税される税金です。
借地権を設定するときの土地賃貸借契約書は課税文書に該当するため、印紙税が課税されます。

印紙税の課税金額は、契約金額の記載があるかどうかにより変動します。
地代しか書かれていない土地賃貸借契約書は契約金額がないものとみなされ、200円の収入印紙を貼って割印するだけで納税が可能です。

しかし、権利金が設定されている土地賃貸借契約書の場合は、権利金の額に応じて印紙税額が変わります。
たとえば、50万円超100万円以下の権利金を設定する場合、1,000円の収入印紙を貼って割印しなければなりません。

登録免許税

登録免許税は、法務局へ登記を申請するときに課税される税金です。

借地上の建物の所有権を「保存」したり、「移転」したりするときの申請などに課税されます。

借地上に新たに建物を建築するときには、建物保存登記の申請をしなければならず、その際に課税される登録免許税は次のとおりです。

所有権保存登記の際に課税される登録免許税 = 登記官が認定した金額 × 0.4%

※自己居住用の住宅を新築した場合には軽減措置がある

また、建物の所有権移転登記の際に課税される登録免許税は、次のとおりです。

建物の所有権移転登記の際に課税される登録免許税 = 固定資産税評価額 × 2%

※一定条件を満たした自己居住用の住宅の所有権移転の場合には軽減措置がある

不動産取得税

不動産取得税とは、不動産を売買したり新築したりして不動産を所有したときに課税される税金です。

建物の不動産取得税の計算方法は、次のとおりです。

不動産取得税 = 固定資産税評価額 × 4%

※令和6年3月31日までに取得した建物が住宅の場合の税率は3%
※一定条件を満たした住宅を取得した場合は軽減措置がある

借地権を設定する場合、借地人は建物を所有することになるため、不動産取得税が課税されます。
なお、不動産取得税は不動産を取得したときに1回だけ課税される税金です。
ただし、所有する度に課税されるため、建物を解体し建て替えたときには再度不動産取得税が課税されます。

借地権の設定時には固定資産税との関係性を理解しておこう

借地権は建物の所有を目的として土地を借りる権利であるため、借地人には建物の固定資産税が課税されます。
そして、固定資産税は建物を所有している限り、ずっと課税され続けるため固定資産税がいくら課税されるのか計算方法を理解しておく必要があります。

また、固定資産税は地代を計算するときに利用されるため、どのような計算で地代を算出するのか知っておくことも重要です。
固定資産税は借地権との関連性が高いため、借地権を設定するときには固定資産税についても理解しておきましょう。

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