不整形地とは、一般的な土地の形状である長方形や正方形ではなく、均等な形ではない土地の総称です。特徴的な形状を活かして有効活用することは十分に可能であり、本記事では特に家の建築について解説していきます。
不整形地に家を建てるメリット・デメリットや注意点なども解説しますので、ぜひご参照ください。
目次
不整形地とは?

土地の形は、整形地と不整形地の2つに大きく分けられます。整形地は、長方形や正方形に整えられている土地のことで、不整形地は、整形地以外の形のものを指します。

上記のイラストは不整形地の一例です。整形地と比較すると、どうしても使い勝手が悪いため、利用価値が下がったり、評価額が低くなったり、売却が難しかったりする場合があります。
不整形地に家を建てるメリット

不整形地に家を建てる主なメリットについて、次の3つを紹介します。
- 土地の購入金額を抑えることができる
- 個性的な家を建てられる
- 家を相続する際には税金を抑えられる
土地の購入金額を抑えることができる
不整形地に家を建てることで、土地の購入金額を抑えることができます。前述のように、不整形地は整形地よりも使いづらいため、同じ面積であっても不整形地のほうが価格は低い傾向にあります。
たとえば土地と建物の購入予算が5,000万円である場合、整形地で土地が2,000万円であれば建物は3,000万円ということになります。一方不整形地の場合、たとえば土地が1,000万円であれば建物には4,000万円の予算を充てることができます。
逆に、少ない予算で住宅購入を検討している場合にも適していて、土地の価格を安く抑え、なおかつ建物の価格も抑えれば、希望の予算にあわせて住宅購入ができます。
個性的な家を建てられる
不整形地に家を建てるメリットとして、土地の形を生かした個性的な家を建てられることが挙げられます。整形地では建てられないような独自の設計が可能であり、土地購入費が抑えられる分、住宅本体に費用をかけることも良いかもしれません。
家を相続する際には税金を抑えられる
不整形地では、相続税が抑えられるというメリットがあります。不整形地を購入したケースではなく、相続財産として引き継いだ場合のメリットです。続税を計算する際は、まず相続税評価額を算出する必要があります。
この評価額は、土地自体の利用価値に応じて変動しています。つまり不整形地のように利用価値が低いとみなされる場合は、同じ広さの整形地と比べて低額になります。結果として、不整形地全体の相続税が抑えられるのです。
不整形地に家を建てるデメリット

不整形地に家を建てるデメリットには、以下2点があります。
- 追加の工事費用がかかる可能性がある
- 家を売却したいときに売却が困難な可能性がある
追加の工事費用がかかる可能性がある
不整形地に家を建てるデメリットとして、追加の工事費用がかかる可能性が挙げられます。たとえば崖地に面している場合には、建築基準法上の基準を満たすための工事が必要です。
不整形地の形状が旗竿地で、接道義務を満たしていない場合には、接道義務を満たすための工事が別途必要となります。接道義務とは、土地を宅地として使えるかどうかの大事な基準であり、これを満たしていない場合には再建築不可の土地として価値が低くなってしまいます。
家を売却したい時に売却が困難な可能性がある
不整形地は独特の形状であるため、一般的な整形地と違って好みがわかれます。また、建物も土地の形状に合わせて個性的である場合には、新築当時の家主の好みが反映されているケースが多く、なかなか買主が見つかりにくいことも想定されます。
不整形地の評価額の求め方

不整形地を相続する際の相続税を決める評価額は、路線価もしくは倍率方式で調べることができます。通常の不動産売買における評価額の査定と違い、相続税の算定基準となる不動産の価格は、平等でなければ税額自体にも影響を与えます。
そのため、上記のように一律の評価方式が決められています。その際、以下2つのいずれかの計算に基づいて評価します。
- 路線価方式:道路等に面する宅地の1平方メートルあたりの評価額(路線価)をもとに評価する方法。主に市街地の宅地の評価に適用。
- 倍率方式:固定資産税評価額に所定の倍率をかけて評価する方法。路線価がない宅地の評価に適用。
路線価方式では、不整形地は利用価値が低いために、減額補正されます。倍率方式では、補正減額は入りません。
不整形地は面積の測り方が4種類ある
不整形地は面積の測り方が4種類あります。
- 不整形地を区分して整形地を元に計算する
- 計算上の奥行距離より導いた整形地を元に計算する
- 近似する整形地を元に計算する
- 整形地から不要な整形地を差し引いて計算する
不整形地を区分して整形地を元に計算する

不整形地を区分して、いくつかの整形地に分け、それぞれ計算したものを合算して、不整形地全体の評価額とする方法です。
計算上の奥行距離より導いた整形地を元に計算する

上記図のように、計算上の奥行距離より導いた整形地を元にして、不整形地の計算をする方法です。
近似する整形地を元に計算する

近似整形地(形状が似ている整形地)を基にして、不整形地の評価額を計算する方法です。
整形地から不要な整形地を差し引いて計算する

整形地から不要な整形地を差し引いて計算する方法です。まず①の整形地分を求め、次に②の整形地分とあわせて全体の評価額を求めます。最後に隣接する②の分を差し引けば、おおむね①の部分の評価額となり、これを基準として不整形地の計算をします。
不整形地を売却する方法

不整形地を売却する方法について、以下3点を紹介します。
- 分筆で整形地にしてから売却する
- 隣家の人に買い取ってもらう
- 専門の買取業者に依頼する
分筆で整形地にしてから売却する
分筆をして整形地にすると売却しやすいでしょう。分筆とは、ひと区画の土地を分けることです。不整形地が広い場合に分筆が向いていて、いくつかの整形地に分筆できればその分土地の使い勝手も良く価値も高まります。
ただし狭い不整形地を分筆した場合は、たしかにいくつかの整形地に区分することはできますが、狭小地になってしまうと不整形地と同様に価値はつきにくく、活用方法が制限されることになります。
隣家の人に買い取ってもらう
不整形地に隣接した土地の所有者に、土地を買い取ってもらえないか声をかけてみましょう。不整形地は価値が低いため一般の不動産流通には乗りにくいですが、隣家の人が合筆する前提で購入してくれれば、隣家の人にもメリットがあります。合筆とは、前述の分筆の逆で、複数の土地を合体してひとつの土地にすることです。
隣家の人にとって不整形地を購入するメリットとは、合筆することで土地が広くなることや、隣家が不整形地の場合にはその問題を解消できることなどが挙げられます。
ただし、隣家の人に買い取ってもらうためには、相手が購入のための資金を持っている必要があるので注意しましょう。
専門の買取業者に依頼する
不整形地を確実に売却するなら、専門の買取業者に依頼する方法が良いでしょう。買取とは、一般的な不動産売買のように宅建業者が仲介し、買主を見つけてから売却するのではなく、専門業者が直接買い取ってくれる方法です。
直接買い取りのメリットは、実際に不整形地の購入希望者が見つからなくても、まず先に専門業者が買い取ってくれる点です。直接買い取りであれば、すぐに売買代金を手にすることができます。
一方デメリットとしては、一般的な不動産売却よりも少し買取価格が少なくなる点です。それでも信頼できる業者に出会えれば、より高額査定で買い取ってもらうこともできます。
まとめ
不整形地に家を建てるメリットは、土地の本体価格が整形地よりも安いため、購入資金が限られている人でも購入しやすいという点です。また、その土地の形状にあわせて個性的な家を建てられることも利点でしょう。
一方で、土地を宅地として使う場合に追加工事が必要になることもあり、金銭的な負担が大きくなるケースもあります。
不整形地の活用として、家を建てる以外にも売却する方法があります。買取なら訳あり物件買取センターにお任せください。査定は無料、現金による高額買取を実施しています。まずはお気軽にご相談ください。