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訳あり物件の空き家は売却できる?売る方法や注意点、成功のポイントを解説

訳あり物件の空き家は売却できる?売る方法や注意点、成功のポイントを解説

「事故物件や老朽化した家、再建築不可の物件でも売却できるのだろうか」とお悩みではありませんか。一般的な不動産会社では取り扱いが難しい訳ありの空き家でも、物件の状況に合った売却方法や専門の買取業者を選ぶことで、売却できる可…

この記事の監修者
  • 虎ノ門桜法律事務所 / 代表弁護士:伊澤 大輔
    虎ノ門桜法律事務所 / 代表弁護士
    伊澤 大輔
    経歴:
    2001年弁護士登録。虎ノ門桜法律事務所代表弁護士。
    不動産会社(売買、賃貸、仲介、管理、共有物分割、競売等)等、顧問先多数。
    元暴力団追放運動推進都民センター相談委員、同センター不当要求防止責任者講習講師。
  • 宅地建物取引士:杉本 英紀
    宅地建物取引士
    杉本 英紀
    経歴:
    2000年より不動産業に従事。2004年に宅地建物取引士を取得。
    借地権にとどまらず、再建築不可、私道持分なし、道路未接道、事故物件、収益ビル、倉庫、アパート、マンションなど、全ての訳アリ物件に愛された男。
    訳アリ物件のエキスパート、ブリリアント杉本。
    趣味はバイクツーリング。どんな悪路でも物件見に行けます。

「事故物件や老朽化した家、再建築不可の物件でも売却できるのだろうか」とお悩みではありませんか。一般的な不動産会社では取り扱いが難しい訳ありの空き家でも、物件の状況に合った売却方法や専門の買取業者を選ぶことで、売却できる可能性があります。
本記事では、空き家が訳あり物件とされる主なケースをはじめ、仲介と買取の違い、告知義務や契約不適合責任といった売却時の注意点、売却を成功させるポイントを解説します。売却にかかる費用や税金、相続した空き家に利用できる特例についても紹介しますので、ご自身の空き家に適した売却方法を検討する際にお役立てください。

訳あり物件の空き家とはどういう状態か

訳あり物件の空き家とはどういう状態か

空き家を売却しようとした際、不動産会社から「この家は訳あり物件に該当する」と言われて戸惑うケースは少なくありません。ここでは、そもそも訳あり物件とはどのような状態を指すのか、一般的な不動産との違いや、空き家が訳あり物件として扱われる具体的なケースについて詳しく解説します。

訳あり物件と通常物件の違い

訳あり物件とは、不動産の取引において買主が購入を躊躇するような何らかの「瑕疵(かし=欠陥や問題点)」を抱えている物件のことを指します。通常の物件であれば相場価格でスムーズに売却できる可能性が高いですが、訳あり物件の場合は需要が限定されるため、売却価格が相場より大幅に下がったり、買い手がなかなか見つからなかったりする傾向があります。

通常物件と訳あり物件の主な違いを以下の表にまとめました。

比較項目 通常物件 訳あり物件
瑕疵(欠陥)の有無 なし(または軽微で修繕可能) あり(心理的・物理的・法的・環境的など)
売却価格の目安 市場の相場価格と同等 相場価格の5割〜8割程度(状態によりさらに下落)
売却にかかる期間 3ヶ月〜半年程度 半年以上、あるいは一般市場では売れないことも
告知義務 特になし あり(買主へ正確に伝える義務がある)

空き家が訳あり物件に該当するケース一覧

長期間放置された空き家は、時間の経過とともに建物の劣化が進むだけでなく、さまざまな要因から訳あり物件化しやすい特徴を持っています。空き家が訳あり物件(瑕疵物件)として扱われるケースは、大きく分けて以下の4つに分類されます。

事故物件や心理的瑕疵がある空き家

心理的瑕疵とは、物件の物理的な欠陥ではなく、買主が心理的に嫌悪感や抵抗感を抱くような過去の事実がある状態のことです。空き家において代表的なのは、過去にその室内で自殺や他殺、孤独死(発見が遅れ特殊清掃が必要になった場合など)が発生した、いわゆる「事故物件」です。

こうした人の死に関わる事実は買主の購買意欲を大きく削ぐため、売主や仲介業者は原則として告知義務を負います。なお、告知の基準については、国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によって、どのようなケースで買主へ告知すべきかの目安が定められています。他にも、近隣に反社会的勢力の事務所がある、嫌悪施設(火葬場やゴミ処理場など)が隣接しているといった「環境的瑕疵」も、心理的な抵抗感につながるため訳あり物件として扱われます。

老朽化や雨漏りなど物理的瑕疵がある空き家

物理的瑕疵とは、建物や土地そのものに構造上の欠陥や重大な不具合がある状態を指します。空き家は人が住まなくなり換気やメンテナンスが行われなくなると、急速に劣化が進みます。

具体的には、雨漏り、シロアリ被害による柱の腐食、基礎のひび割れ、床の傾き、給排水管の破損などが挙げられます。また、土地に関する物理的瑕疵として、土壌汚染や地中埋設物(過去の建物の基礎や井戸、廃材など)が見つかるケースもあります。これらの問題がある空き家は、購入後に多額の修繕費用や撤去費用がかかるため、一般の買主からは敬遠されやすく、訳あり物件に分類されます。

再建築不可や借地権など法的制限のある空き家

法的瑕疵とは、建築基準法や都市計画法などの法令による制限を受けており、自由な建築や土地の利用が妨げられている状態のことです。古い空き家で特に多いのが「再建築不可物件」です。これは、敷地が建築基準法上の道路に2メートル以上接していない(接道義務を満たしていない)ため、現在の建物を解体して新しい家を建てることができない物件を指します。

また、建物は自分のものでも土地は地主から借りている「借地権付き建物」の空き家も、売却時に地主の承諾や承諾料が必要になるなど権利関係が複雑なため、訳あり物件として扱われます。他にも、市街化調整区域内にあり原則として建物の建築が認められない土地など、法的な制限が強い物件は活用方法が限られるため売却のハードルが高くなります。

残置物やゴミ屋敷状態の空き家

長年放置された空き家の中には、前の住人の家具や家電、日用品などの「残置物」が大量に残されているケースが多々あります。特に、足の踏み場もないほどのゴミ屋敷状態になっている空き家は、内見時の印象が極めて悪く、一般市場での売却は非常に困難です。

残置物の撤去には数十万円から、場合によっては百万円以上の費用がかかることもあります。さらに、害虫や悪臭が発生している場合は近隣トラブルの原因にもなり得ます。このように、そのままの状態では生活を始めることができず、買主に多大な手間と費用負担を強いる状態の空き家も、立派な訳あり物件と言えます。

訳あり物件の空き家は売却できるのか売れない理由と売れる理由

訳あり物件の空き家は売却できるのか売れない理由と売れる理由

結論から言うと、訳あり物件の空き家であっても売却することは十分に可能です。一見すると買い手がつかないように思える物件でも、視点を変えれば独自の需要が存在するためです。ここでは、なぜ一般的な不動産市場では売れにくいのか、そしてどのような層であれば購入してくれるのかを詳しく解説します。

一般市場で売れにくい理由

訳あり物件の空き家が一般的な不動産市場(マイホームを探している個人向けの市場)で敬遠されるのには、明確な理由があります。一般の買主は「すぐに安全で快適に住める家」を求めているため、問題やリスクを抱えた物件は選択肢から外されやすくなります。

具体的に一般市場で売れにくい主な理由を以下の表に整理しました。

売れにくい理由 詳細と買主の心理
住宅ローンの審査が通りにくい 再建築不可物件や違法建築などの法的な問題を抱える空き家は、担保評価が著しく低くなります。そのため、買主が金融機関から住宅ローンの融資を受けられず、現金一括で購入できる人に限られてしまうことが大きなハードルとなります。
修繕や解体に多額の費用がかかる 老朽化が激しい空き家や雨漏り・シロアリ被害がある場合、購入後に大規模なリフォームや建物の解体が必要になります。購入価格に加えて予測不可能な追加費用が発生するリスクを、一般の買主は極端に嫌います。
心理的抵抗感(心理的瑕疵)が強い 過去に孤独死や事件・事故が起きた事故物件、あるいはゴミ屋敷状態だった空き家に対しては、多くの人が生理的な嫌悪感や不安を抱きます。周辺環境に墓地や嫌悪施設がある場合も同様に敬遠されがちです。

このように、資金面での制約や購入後の追加費用の不確実性が、一般市場での売却を困難にしている最大の要因と言えます。

訳あり物件の空き家に需要がある買主層

一般の個人買主には売れにくい一方で、訳あり物件ならではの特性に魅力を感じる特定の買主層が存在します。彼らは居住目的ではなく、事業や投資、あるいは独自のライフスタイルを実現する目的で物件を探しています。

訳あり物件の空き家を積極的に購入する主な買主層は以下の通りです。

買主層 購入する目的と理由
不動産投資家 相場よりも大幅に安く購入し、最低限のリフォームを施して賃貸物件として運用することで高い利回りを狙うため、訳あり物件を好んで購入します。心理的瑕疵や物理的瑕疵があっても、家賃設定次第で入居者が決まることを知っています。
専門の不動産買取業者 訳あり物件を自社で買い取り、法的な問題を解決したり、大規模なリノベーションを行ったりして再販するノウハウを持っています。事業として利益を出す前提であるため、どんな状態の空き家でも現金でスピーディーに買い取ってくれる可能性が高いです。
DIYやリノベーションを前提とする個人 近年増加しているのが、自分自身で家を改修(DIY)することを楽しむ層です。初期費用を極力抑えて自分好みの住空間を作りたいと考えているため、老朽化した空き家や残置物がある物件でも前向きに検討してくれます。

総務省統計局が発表している住宅・土地統計調査などでも空き家の増加が社会課題として示されていますが、それに伴い、こうした古い家や訳あり物件を再生して活用するビジネスや文化も確実に育ってきています。

したがって、一般市場で売れないからといって諦める必要はありません。物件の特性を理解し、適切なターゲットに向けて売却活動を行うことで、訳あり物件の空き家でも確実に手放すことが可能になります。

訳あり物件の空き家を売却する方法と手順

訳あり物件の空き家を売却する方法と手順

訳あり物件の空き家を売却するには、物件が抱える瑕疵の種類や程度、売主の希望条件(売却期間や価格など)に合わせて適切な方法を選ぶことが重要です。ここでは、代表的な4つの売却方法とその具体的な手順について詳しく解説します。

不動産仲介を使った売却の流れ

一般的な不動産売却と同様に、不動産会社に仲介を依頼して個人の買主を探す方法です。立地条件が良い場合や、雨漏りなどの物理的瑕疵が軽度で修繕が容易な空き家であれば、仲介でも十分に売却できる可能性があります。

仲介による売却は、市場相場に近い価格で高く売れる可能性が高い点が最大のメリットです。しかし、訳あり物件の場合は需要が限られるため、買主が見つかるまでに長期間を要するリスクや、内見の印象を良くするために事前の修繕費用が発生する可能性がある点に注意が必要です。

手順 内容
1. 査定依頼 複数の不動産会社に物件の査定を依頼し、適正な相場価格を把握します。
2. 媒介契約の締結 信頼できる不動産会社を選び、一般・専任・専属専任のいずれかの媒介契約を結びます。
3. 販売活動 不動産ポータルサイトへの掲載やチラシの配布などを通じて、広く買主を探します。
4. 売買契約の締結 購入希望者が現れ、価格や条件面で合意に至れば売買契約を締結し、手付金を受領します。
5. 決済・引き渡し 残代金の受領と同時に、所有権移転登記の手続きと物件の引き渡しを行います。

訳あり物件専門の買取業者への売却の流れ

事故物件や再建築不可物件、ゴミ屋敷状態など、一般市場では極めて売れにくい空き家の場合は、訳あり物件を専門に扱う不動産買取業者に直接買い取ってもらう方法が有効です。専門業者は買い取った物件を自社でリフォームや解体を行い、再販するノウハウを持っています。

買取業者への売却は、最短数日から数週間という短期間で現金化でき、売主の契約不適合責任が免責されるケースが多いため、売却後のトラブルリスクを大幅に軽減できます。ただし、業者の利益や改修費用が差し引かれるため、売却価格は市場相場の5割から7割程度に下がるのが一般的です。

手順 内容
1. 買取査定依頼 訳あり物件の買取実績が豊富な専門業者に査定を依頼します。
2. 現地調査と価格提示 業者が物件の現状や法的制限を調査し、具体的な買取価格を提示します。
3. 売買契約の締結 提示された買取価格と条件に納得できれば、業者と直接売買契約を結びます。
4. 決済・引き渡し 指定の期日に代金が一括で支払われ、速やかに物件を引き渡します。

空き家バンクへの登録を活用する方法

各自治体が運営する空き家バンク制度を利用して、地方移住を希望する人や、古民家をDIYで改修したいと考えている人に直接アピールする方法です。全国の自治体の取り組み状況については、国土交通省の空き家・空き地バンク総合情報ページなどから確認することができます。

空き家バンクは、通常の不動産市場では流通しにくい過疎地域や郊外の訳あり物件でも、独自の需要とマッチングしやすいのが特徴です。物件の登録自体は無料でできる自治体が多いですが、実際の売買交渉や契約手続きは当事者間で行うか、自治体が提携する地域の不動産業者に仲介を依頼する必要があります。

古家付き土地として売却する方法

建物の老朽化が著しく、そのままでは居住が困難な空き家の場合、あえて建物を解体せずに「古家付き土地」として売却する方法があります。この場合、建物の価値はゼロとして評価され、実質的に土地のみの価格で取引されます。

売主側で数百万円かかる解体費用を負担する必要がなく、買主側にとってもリノベーションして住むか、解体して新築するかを自由に選べるため、購入の選択肢を広げることができます。ただし、買主が更地にして利用することを前提とする場合、土地の相場価格から解体費用相当額の値引きを求められることが多いため、あらかじめ解体費用を見込んだ価格設定をしておくことが求められます。

訳あり物件の空き家を売却する際に押さえるべき注意点

訳あり物件の空き家を売却する際に押さえるべき注意点

訳あり物件の空き家を売却するプロセスには、一般的な不動産売却とは異なる特有のリスクや注意すべきポイントが存在します。売却後のトラブルを防ぎ、スムーズに手放すためには、以下の注意点を必ず押さえておきましょう。

瑕疵の告知義務と正確な情報開示の重要性

訳あり物件を売却する際、最も注意しなければならないのが「瑕疵(かし)の告知義務」です。物件に雨漏りやシロアリ被害、建物の傾きといった物理的瑕疵がある場合や、過去に事件や事故、孤独死などが起きた心理的瑕疵がある場合、売主は買主に対してその事実を正確に伝えなければなりません。

特に心理的瑕疵については、国土交通省が公表している「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」において、告知すべき事案や期間の目安が示されています。「売れにくくなるから」と瑕疵を隠して売却し、引き渡し後に事実が発覚した場合、買主から多額の損害賠償請求や契約解除を求められるリスクが非常に高くなります。些細なことでも自己判断で隠さず、不動産会社に申告して物件状況確認書(付帯設備表)などに正確に記載することが重要です。

契約不適合責任とそのリスク回避策

2020年の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」へと変わりました。これは、引き渡した物件の種類、品質、数量が契約内容と適合しない場合、売主が買主に対して重い責任を負う制度です。訳あり物件の空き家は老朽化が進んでいることが多く、引き渡し後に見えない不具合が発覚しやすいため特に注意が必要です。

買主が売主に対して請求できる権利は、主に以下の4つに分類されます。

請求の種類 内容
追完請求 不具合の修補や代替物の引き渡しを求めること(例:雨漏りやシロアリ被害の修理要求)
代金減額請求 売主が追完請求に応じない場合や修補不可能な場合に、不具合の程度に応じた売買代金の減額を求めること
契約解除 不具合により契約の目的が達成できない場合に、契約自体を白紙に戻すこと
損害賠償請求 売主に帰責事由がある場合、不具合によって買主に生じた損害の賠償を求めること

契約不適合責任による売却後のトラブルを回避するためには、売買契約書に「契約不適合責任を免責とする」という特約を盛り込むことが有効です。ただし、一般の個人買主に対して免責特約をつけると、買主側のリスクが高まるため売却価格が下がる傾向にあります。もしリスクを完全に排除したい場合は、不動産買取業者への売却がおすすめです。買主が宅地建物取引業者であれば、原則として売主の契約不適合責任を免責にして買い取ってもらうことができます。

売却前の解体やリフォームは慎重に判断する

「空き家を解体して更地にすれば売れやすい」「リフォームして綺麗にすれば高く売れる」と考えがちですが、訳あり物件の場合は慎重な判断が求められます。

まず、建物を解体して更地にすると「住宅用地の特例」の適用から外れてしまい、土地の固定資産税が最大で約6倍に跳ね上がる可能性があります。もし更地にしてもすぐに買い手が見つからなかった場合、高額な税金を毎年支払い続けることになりかねません。また、数百万円かけて解体やリフォームを行ったとしても、その費用を売却価格に上乗せして回収できる保証はありません。買主が自ら好みのリフォームをしたい、あるいは独自のプランで新築を建てたいと考えている場合、事前の施工が無駄になることもあります。自己判断で手を入れる前に、まずは現状のまま不動産会社に査定を依頼し、費用対効果を見極めることが大切です。

売れ残った場合の固定資産税と管理コストの負担

訳あり物件の空き家は、一般市場では買い手が見つかりにくく、売却活動が長期化するケースが少なくありません。売却が決まるまでの間、所有者は固定資産税や都市計画税を納め続ける必要があり、さらに定期的な草刈りや換気、建物の修繕といった維持管理コストや手間もかかり続けます。

さらに空き家を放置し続けると、国土交通省が管轄する「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、自治体から「特定空家等」や「管理不全空家等」に指定される恐れがあります。自治体から改善の勧告を受けると住宅用地の特例が解除され、固定資産税が大幅に増税されるだけでなく、最悪の場合は行政代執行によって強制的に解体され、高額な解体費用が所有者に請求されます。売れ残る期間が長引くほど経済的・精神的な負担は大きくなるため、一定期間仲介で売れなかった場合は、専門の買取業者への売却に切り替えるなどの柔軟な判断が必要です。

訳あり物件の空き家売却を成功させるポイント

訳あり物件の空き家売却を成功させるポイント

訳あり物件の空き家は、一般的な不動産と比べて買い手がつきにくく、売却のハードルが高くなる傾向にあります。しかし、適切なアプローチと準備を行うことで、スムーズに手放すことは十分に可能です。ここでは、売却を成功に導くための具体的なポイントを解説します。

物件の瑕疵と状態を事前にしっかり把握する

売主自身が物件のマイナス要素や現在の状態を正確に把握しておくことは、売却活動をスムーズに進めるための第一歩です。どのような瑕疵(欠陥や問題点)があるのかを明確にしないまま売りに出すと、後々買主との間で深刻なトラブルに発展する恐れがあります。

特に老朽化が進んだ空き家の場合、目に見えない部分でシロアリの被害や雨漏り、基礎の劣化が進行していることが少なくありません。建物の正確な状態を知るためには、専門家によるインスペクション(建物状況調査)を活用することが有効です。国土交通省が推進する既存住宅状況調査などの制度を利用し、客観的な調査報告書を取得しておくことで、買主に対して透明性の高い情報提供が可能となり、取引の安全性が高まります。

相場価格を調べたうえで売却価格を設定する

訳あり物件の空き家を売却する際は、まず周辺の一般的な不動産の相場を調べたうえで、瑕疵の程度に応じた適切な価格設定を行うことが重要です。自身の希望価格に固執して相場から大きく外れた高値で売り出してしまうと、いつまでも買い手が見つからず売れ残る原因となります。

訳あり物件は、その要因によって通常物件の相場から一定の割合で減額されるのが一般的です。以下の表は、訳ありの要因ごとの価格相場の目安をまとめたものです。

訳ありの要因 価格相場の目安(通常物件を100%とした場合) 減額される主な理由
物理的瑕疵(老朽化・雨漏り・シロアリ被害など) 約50%〜80% 買主が購入後に負担する修繕費用や解体費用が差し引かれるため
心理的瑕疵(孤独死・事件・事故など) 約30%〜70% 事案の重大さや経過年数によって買主の心理的抵抗感が異なるため
法的制限(再建築不可・セットバック未了など) 約30%〜50% 建物の建て替えができないなど、土地の活用方法が大きく制限されるため
環境的瑕疵(近隣の騒音・悪臭・嫌悪施設など) 約70%〜90% 生活環境への悪影響の度合いや、将来的な環境改善の見込みによるため

これらの目安を参考にしつつ、不動産会社の担当者と相談しながら、市場の需要に合わせた現実的な売却価格を設定しましょう。

複数の業者へ査定依頼して比較検討する

訳あり物件の空き家は、不動産会社によって査定額に数百万円単位の大きな差が出やすいため、必ず複数の業者に査定を依頼して比較検討してください。1社だけの査定額を鵜呑みにしてしまうと、本来の価値よりも安く手放してしまったり、逆に高すぎる査定額を信じて売れ残ってしまったりするリスクがあります。

不動産一括査定サイトなどを活用し、少なくとも3〜5社程度に査定を依頼するのが理想的です。その際、単に査定額の高さだけで選ぶのではなく、「なぜその価格になったのか」という根拠を論理的に説明してくれるかどうかも重要な判断基準となります。仲介での売却査定だけでなく、直接買い取ってもらう場合の買取査定も同時に依頼しておくことで、選択肢の幅が広がります。

訳あり物件の空き家に強い専門業者を見極める方法

一般的な不動産会社は、状態の良い優良物件の仲介を得意としているため、権利関係が複雑な物件や老朽化の激しい空き家、心理的瑕疵のある物件の取り扱いを敬遠する傾向があります。そのため、訳あり物件の空き家を専門に取り扱う買取業者や、特殊な不動産取引に強い業者を見極めることが不可欠です。

複雑な事情を抱えた物件であっても、豊富な買取実績と専門的な知見を持って迅速に対応してくれる業者を選ぶことが、売却成功の最大の鍵となります。専門業者を見極める際は、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 自社のホームページで訳あり物件(事故物件や再建築不可物件など)の具体的な買取実績を豊富に公開しているか
  • 弁護士、司法書士、税理士といった専門家と提携しており、権利関係の整理や相続問題にワンストップで対応できる体制があるか
  • 残置物(家財道具やゴミ)がそのままの状態でも買い取ってくれるなど、売主の手間を省くサービスを提供しているか
  • 相談時の対応が丁寧で、デメリットやリスクについても隠さずに説明してくれるか

これらの条件を満たす専門業者に依頼することで、一般市場では売れにくい空き家であっても、短期間で確実に現金化できる可能性が高まります。

訳あり物件の空き家売却にかかる費用と税金

訳あり物件の空き家売却にかかる費用と税金

訳あり物件の空き家を売却する際には、通常の不動産売却と同様にさまざまな費用や税金が発生します。手元に残る最終的な利益(手取り額)を正確に把握するためには、あらかじめどのようなコストがかかるのかを理解しておくことが不可欠です。

売却時の主な費用と仲介手数料の目安

空き家を売却する際にかかる主な費用には、仲介業者へ支払う手数料や税金のほか、訳あり物件特有の費用が含まれる場合があります。物件の状態や売却方法によって負担する金額は大きく変動するため、事前の資金計画が非常に重要です。

費用の種類 金額の目安 備考・詳細
仲介手数料 売買価格の3%+6万円+消費税(※売買価格400万円超の場合) 不動産会社に仲介を依頼して成約した場合に発生します。専門業者による「買取」の場合は不要です。
印紙税 数千円〜数万円 不動産売買契約書に貼付する収入印紙代です。売買金額によって税額が異なります。
登記費用 数万円〜5万円程度(司法書士報酬含む) 抵当権抹消登記や、相続登記が済んでいない場合の所有権移転登記などにかかる費用(登録免許税)です。
残置物撤去費用 数十万円〜100万円以上 ゴミ屋敷状態や家具が多く残っている場合、専門業者に処分を依頼する費用です。
解体費用 100万円〜300万円程度 老朽化が激しく、更地にして売却する場合にかかる費用です。建物の構造や広さにより変動します。
測量費用 30万円〜80万円程度 境界が不明確な場合、土地家屋調査士に依頼して境界確定測量を行う費用です。

特に仲介手数料は、売却にかかる費用の中でも大きな割合を占めます。宅地建物取引業法により上限額が定められており、一般的な取引では上限額が請求されることがほとんどです。ただし、訳あり物件の空き家は市場価格が低くなる傾向があるため、低廉な空き家等の売買取引における特例により、売買価格が800万円以下の場合は最大30万円(税抜)の仲介手数料がかかるケースもあります。

相続した空き家売却時に使える税金の特例

空き家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、通常はその利益に対して譲渡所得税(所得税および住民税)が課せられます。しかし、相続した空き家を売却するケースでは、一定の要件を満たすことで税負担を大幅に軽減できる特例制度を利用できる可能性があります。

代表的な制度が「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」です。この特例を適用すると、譲渡所得から最高3,000万円まで控除されるため、税金が大幅に安くなるか、あるいは全額非課税になるケースが多くなります。

この特例を利用するための主な要件は以下の通りです。

  • 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋(旧耐震基準の家屋)であること
  • 区分所有建築物(マンションなど)ではないこと
  • 相続の開始の直前において、被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと
  • 相続時から売却時まで、事業の用、貸付の用、または居住の用に供されていたことがないこと(ずっと空き家であったこと)
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 売却時に一定の耐震基準を満たしているか、または家屋を取り壊して更地にして売却すること(※令和6年1月1日以降の譲渡については、買主が譲渡日の属する年の翌年2月15日までに耐震改修または解体を行った場合も適用可能)

詳細な適用要件や必要な手続きについては、国税庁のホームページで最新の情報を確認するか、管轄の税務署や税理士に相談することをおすすめします。特例の適用を受けるためには、売却して利益が出た翌年の2月16日から3月15日までの間に、必ず確定申告を行う必要があります。

まとめ

訳あり物件の空き家は売却できる?売る方法や注意点、成功のポイントを解説

訳あり物件の空き家は、老朽化や心理的瑕疵などの理由で一般市場では売れにくいものの、専門の買取業者や投資家向けには十分に売却可能です。

売却を成功させる結論として、トラブルを防ぐための正確な告知による契約不適合責任の回避や、費用対効果の観点から事前のリフォーム・解体を控えることが重要です。また、維持管理コストや固定資産税の負担を避けるためにも、早めの売却活動をおすすめします。

複数の不動産会社や訳あり物件専門業者に査定を依頼して比較検討し、相続空き家の3,000万円特別控除などの税制優遇も賢く活用しましょう。

訳あり物件買取センターの不動産買取の専門家に相談することで、これらの複雑な手続きやトラブルをスムーズに解決し、安心して資産を管理・処分することができます。

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