「相続した空き家を売却したいものの、いくらで買い取ってもらえるのだろう」とお悩みではありませんか。空き家の買取相場は、一般的に仲介で売却する場合の市場価格の5~8割程度が目安です。買取業者が購入後のリフォーム費用や解体費…
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虎ノ門桜法律事務所 / 代表弁護士伊澤 大輔経歴:
2001年弁護士登録。虎ノ門桜法律事務所代表弁護士。
不動産会社(売買、賃貸、仲介、管理、共有物分割、競売等)等、顧問先多数。
元暴力団追放運動推進都民センター相談委員、同センター不当要求防止責任者講習講師。 -
宅地建物取引士杉本 英紀経歴:
2000年より不動産業に従事。2004年に宅地建物取引士を取得。
借地権にとどまらず、再建築不可、私道持分なし、道路未接道、事故物件、収益ビル、倉庫、アパート、マンションなど、全ての訳アリ物件に愛された男。
訳アリ物件のエキスパート、ブリリアント杉本。
趣味はバイクツーリング。どんな悪路でも物件見に行けます。
目次
「相続した空き家を売却したいものの、いくらで買い取ってもらえるのだろう」とお悩みではありませんか。空き家の買取相場は、一般的に仲介で売却する場合の市場価格の5~8割程度が目安です。買取業者が購入後のリフォーム費用や解体費用などを負担するため、仲介売却より価格が低くなる傾向があります。一方、買取には仲介手数料がかからず、老朽化した空き家や売れにくい物件でも、現状のままスピーディーに現金化しやすいというメリットがあります。この記事では、空き家の買取相場をはじめ、査定価格が決まる仕組みや買取のメリット・デメリット、少しでも高く売却するためのポイントを詳しく解説します。空き家の状況に合った売却方法を選び、後悔なく手放すための参考にしてください。
空き家買取の相場はどのくらいか

空き家の売却を検討する際、「いくらで買い取ってもらえるのか」が気になる方も多いでしょう。空き家の買取価格は、物件の立地や築年数、建物の状態などによって異なりますが、一般的には、不動産市場で仲介売却する場合の価格より低くなることがあります。ここでは、買取価格の目安をはじめ、築年数による違いや仲介売却との価格差について詳しく解説します。
空き家買取の相場は市場価格の何割程度か
不動産会社に空き家を直接買い取ってもらう場合、買取価格の相場は市場価格(仲介で売却した場合の適正価格)の5割〜8割程度になるのが一般的です。たとえば、仲介であれば1,000万円で売れる可能性のある空き家の場合、買取価格は500万円〜800万円程度になります。
なぜ買取価格が安くなるのかというと、不動産会社は買い取った空き家をリフォームや解体して再販することを目的としているためです。再販するための改修費用や解体費用、不動産取得税、登記費用などの諸経費、そして不動産会社の利益が差し引かれるため、どうしても仲介相場より低く設定されます。しかし、売却活動の手間が省け、すぐに現金化できるという大きなメリットがあるため、状況に応じて買取を選ぶ方は少なくありません。
築年数別にみた空き家買取の相場目安
空き家の買取価格は、建物の築年数によって大きく変動します。日本の木造一戸建て住宅の場合、築20年を超えると建物の資産価値はほぼゼロとみなされることが多く、土地の価値のみで評価されるケースが一般的です。築年数ごとの相場目安を以下の表にまとめました。
| 築年数 | 買取相場の目安(市場価格に対する割合) | 評価の傾向 |
|---|---|---|
| 築10年以内 | 市場価格の7割〜8割程度 | 建物に十分な価値があり、軽微なリフォームで再販可能なため高値がつきやすい状態です。 |
| 築11年〜20年 | 市場価格の6割〜7割程度 | 建物の価値は減少しますが、まだ住居として利用可能なため、一定の評価がなされます。 |
| 築21年以上(古家あり) | 市場価格の5割〜6割程度(ほぼ土地値) | 建物の資産価値はほぼゼロとみなされ、土地の価格から解体費用などが差し引かれることが多いです。 |
築古の空き家であっても、立地が良い場合や、古民家としての価値が見出せる場合は、相場以上の価格で買い取られることもあります。また、国土交通省の空き家対策の推進に関する特別措置法関連情報でも示されているように、適切な管理が行われていない空き家は「特定空き家」に指定され、固定資産税の優遇措置が解除されるリスクがあります。そのため、築年数が古く維持管理が難しい場合は、早めに買取を含めた売却を検討することが推奨されます。
仲介売却と買取で売却価格はどう変わるか
空き家を手放す方法には、主に「仲介」と「買取」の2種類があります。この2つの方法では、最終的に手元に残る金額(売却価格)や売却にかかる期間、手間が大きく異なります。
| 比較項目 | 仲介売却 | 不動産買取 |
|---|---|---|
| 売却価格の相場 | 市場価格(100%) | 市場価格の5割〜8割 |
| 仲介手数料 | 必要(売買価格に応じた法定上限額) | 不要(直接買取のため) |
| 契約不適合責任 | 原則として売主が負う(免責特約も可) | 免責されることが多い |
| 現金化までの期間 | 3ヶ月〜半年以上かかることが多い | 数週間〜1ヶ月程度とスピーディー |
仲介売却は、不動産会社が買主(一般の個人など)を探す方法です。相場通りの高い価格で売却できる可能性が高い反面、買い手が見つかるまでに時間がかかり、仲介手数料が発生するという特徴があります。また、売却後に雨漏りやシロアリ被害などの欠陥が見つかった場合、売主が責任を負う「契約不適合責任」が問われるリスクがあります。
一方、買取は不動産会社が直接買主となります。売却価格は仲介よりも下がりますが、仲介手数料が不要であり、契約不適合責任も免除されるのが一般的です。そのため、老朽化が進んだ空き家や室内に不用品が残っている状態でも、そのままの状態でスムーズに手放せる点が、買取を選ぶ最大の利点と言えます。
空き家買取の価格が決まる仕組み

空き家の買取価格は、不動産会社が買い取った後にリフォームや解体を行って再販する際に見込める利益から逆算して算出されます。そのため、再販時の需要や、商品化までにかかるコストが買取価格を大きく左右するのが特徴です。ここでは、空き家の買取価格を決める4つの主な要因について詳しく解説します。
立地・エリアが買取価格に与える影響
空き家の買取価格において、最も大きなウエイトを占めるのが立地やエリアの条件です。不動産会社は買い取った物件を再販して利益を得るため、居住用としての需要が高いエリアほど買取価格は高くなる傾向があります。
具体的には、最寄り駅からの距離や、スーパー、病院、学校などの生活利便施設へのアクセスの良さが評価されます。また、都心部や人口増加が続いている地域では高い買取価格が期待できる一方で、過疎化が進む地方や交通アクセスの悪いエリアでは、再販リスクが高いと判断され、価格が大幅に下がるか、場合によっては買取を断られることもあります。
築年数・建物の状態が価格に与える影響
建物の築年数や現在の状態も、買取価格を決定する重要な要素です。買取業者は物件を買い取った後、そのままでは売れないため、リフォームや修繕、あるいは建物を解体して更地にするための費用を負担します。
建物の状態が良く、軽微なリフォームで再販できる場合は買取価格が下がりにくいですが、雨漏りやシロアリ被害、基礎の劣化などがある場合は、修繕費用が多額になるため買取価格から大きく差し引かれます。
| 建物の状態 | 買取価格への影響と業者の対応 |
|---|---|
| 築浅・状態が良好 | ハウスクリーニングや表層リフォームのみで再販可能なため、高値がつきやすい。 |
| 築古・経年劣化あり | 水回りの交換や間取り変更などのフルリノベーション費用が差し引かれる。 |
| 倒壊の危険・著しい破損 | 建物の価値はゼロとみなされ、解体費用(数百万円程度)が土地の評価額から差し引かれる。 |
土地の面積・形状・接道条件が価格に与える影響
空き家を解体して「土地」として再販するケースも多いため、土地の面積や形状、道路づけ(接道条件)も買取価格に直結します。
土地の形状が正方形や長方形などの「整形地」であれば、住宅を建てやすく需要が高いため評価が上がります。一方で、旗竿地(はたざおち)や極端に細長い土地、傾斜地などの「不整形地」は、建築プランが制限されたり造成費用がかかったりするため、評価が下がります。
また、建築基準法では原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないという接道義務が定められています。接道義務を満たしていない「再建築不可物件」は、新しく家を建て替えることができないため、買取価格が著しく低くなる傾向があります。
権利関係や法的制限が価格に与える影響
不動産に関する法律の制限や、複雑な権利関係も買取価格を左右します。特に空き家の場合、相続によって所有者が複数いるケースや、隣地との境界が未確定のケースが少なくありません。
境界が明確でない場合、買取後に境界確定測量を行う必要があり、その費用や手間が買取価格から差し引かれます。また、用途地域による建ぺい率や容積率の制限、市街化調整区域(原則として建物の建築が認められない区域)に指定されている土地などは、土地の活用方法が限定されるためマイナス評価となります。
しかし、専門の買取業者はこうした複雑な事情を抱えた物件の取り扱いにも長けています。権利関係の整理や法的な問題をクリアするノウハウを持っているため、個人間売買では敬遠される物件でも適正な価格で買い取ってもらえるのが、業者買取の強みでもあります。
空き家買取相場の調べ方

空き家の買取相場を正確に把握することは、安く買いたたかれるのを防ぎ、納得のいく取引をするために非常に重要です。ここでは、ご自身で空き家の買取相場を調べるための3つの具体的な方法について詳しく解説します。
不動産一括査定サイトを活用する方法
空き家の相場を手軽に知るための最も一般的な方法が、不動産一括査定サイトの活用です。物件情報や連絡先を一度入力するだけで、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できます。
一括査定サイトを利用する最大のメリットは、複数の査定額を比較することで、客観的な相場感を掴める点にあります。1社だけの査定ではその価格が妥当かどうか判断しにくいですが、複数社の結果を見比べることで、おおよその相場が浮かび上がってきます。なお、査定にはデータのみで算出する「机上査定(簡易査定)」と、実際に現地を見る「訪問査定」がありますが、まずは相場を知りたいという段階であれば、手軽な机上査定を選ぶとよいでしょう。
レインズや公示地価で相場を確認する方法
公的なデータや過去の取引事例から、自分自身で相場を調べることも可能です。国が提供している情報サイトなどを活用することで、より実勢価格に近い相場を把握できます。
土地総合情報システムを活用する
国土交通省が運営する土地総合情報システムでは、実際に取引された不動産の価格(実勢価格)を検索できます。エリアや築年数、面積などの条件を絞り込んで、所有する空き家に似た物件が過去にいくらで売買されたのかを確認できるため、非常に参考になります。
レインズマーケットインフォメーションを活用する
国土交通大臣の指定を受けた不動産流通機構が運営するレインズマーケットインフォメーションでも、直近の不動産取引価格情報が公開されています。地域ごとの平均価格や平米単価の推移などをグラフで視覚的に確認できるのが特徴です。
| 情報サイト名 | 運営元 | 特徴と調べられる内容 |
|---|---|---|
| 土地総合情報システム | 国土交通省 | 過去の実際の不動産取引価格(実勢価格)や地価公示の価格を地図上や条件検索で調べられる。 |
| レインズマーケットインフォメーション | 指定流通機構 | 全国の実際の売買成約価格を基にした取引情報。エリアごとの相場推移や市場動向を把握しやすい。 |
これらのサイトで調べられるのは主に「仲介」での売却相場です。買取の相場は、ここで調べた市場価格(仲介での相場)の約7割〜8割程度になる点に注意して計算しましょう。
複数の不動産会社に査定依頼する方法
一括査定サイトを使わず、地元に密着した不動産会社や、空き家買取の実績が豊富な買取業者に直接査定を依頼する方法もあります。特に空き家の場合、一般的な住宅とは異なり、建物の劣化具合や立地条件によって価格が大きく変動するため、専門業者の視点が必要です。
直接依頼する場合でも、必ず複数の会社(3社程度)に査定を依頼してください。会社によって、得意とするエリアや買取後の活用ノウハウが異なるため、査定額に数百万円の差が出ることも珍しくありません。各社の査定額とその根拠をしっかりと聞き比べることで、より正確な買取相場を把握することができます。
空き家を買取に出すメリット

空き家を手放す方法として、不動産会社に買主を探してもらう「仲介」と、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」があります。買取を選択することには、売却に向けた手間や時間を大幅に削減できるなど、さまざまな利点が存在します。ここでは、空き家を買取に出す4つの主なメリットについて詳しく解説します。
売れにくい物件でも買取してもらいやすい
築年数が古い、立地が不便、建物の劣化が激しいといった条件の悪い空き家は、一般の個人買主を探す仲介ではなかなか買い手が見つからない傾向にあります。しかし、買取の場合は不動産会社が直接買い取るため、老朽化が進んだ空き家や一般市場では敬遠されがちな物件であっても売却できる可能性が高いというメリットがあります。
買取業者は買い取った物件をリフォームやリノベーション、あるいは解体して更地にするなど、不動産のプロとして再生・活用するノウハウを持っています。そのため、そのままでは住めない状態の空き家であっても、適正な査定と評価をして買い取ってくれるのです。
短期間で現金化できる
仲介で空き家を売却する場合、購入希望者探しから内見の対応、売買契約、引き渡しまでに数ヶ月から半年以上かかることも珍しくありません。一方、買取の場合は不動産会社が直接買主となるため、査定から契約、現金化までのスピードが非常に早いのが大きな特徴です。
早ければ査定から数日〜1ヶ月程度で売却が完了し、現金を受け取ることができます。まとまった資金がすぐに必要な場合や、固定資産税の支払い時期が迫っていて早く手放したい場合に非常に有効な売却方法と言えます。
| 売却方法 | 現金化までの期間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 買取 | 数日〜1ヶ月程度 | 不動産会社が直接買い取るため、スピーディーに売却が完了する |
| 仲介 | 3ヶ月〜半年以上 | 購入希望者を広く探す期間が必要なため、時間がかかりやすい |
仲介手数料がかからない
不動産会社に仲介を依頼して売却が成立した場合、売買価格に応じた仲介手数料を支払う必要があります。しかし、買取では不動産会社と直接売買契約を結ぶため、数十万円から数百万円にもなる仲介手数料が一切発生しません。
買取価格自体は仲介での売却相場より低くなる傾向がありますが、仲介手数料などの諸経費がかからない分、手元に残る最終的な金額の計算がしやすく、資金計画やスケジュールが立てやすいという利点があります。
物件の状態をそのままで売却できる
空き家を買取に出す大きな魅力の一つが、現状のまま手間をかけずに手放せることです。これには主に以下の2つのポイントが含まれます。
リフォームや修繕が不要
仲介で売却する場合、内見時の印象を良くするために壁紙の張り替えや水回りの修繕、ハウスクリーニングなどが必要になることがあります。しかし買取の場合、買い取った後に業者がリフォームや解体を行うことを前提としているため、売主側で事前の修繕やリフォームを行う必要はありません。
契約不適合責任が免責されることが多い
個人間売買となる仲介では、売却後に雨漏りやシロアリ被害などの隠れた瑕疵(欠陥)が見つかった場合、売主が補修費用などを負担する責任を問われるリスクがあります。これは民法の一部を改正する法律(債権法改正)によって定められた「契約不適合責任」と呼ばれるものです。一方、不動産業者が買主となる買取では、特約によって売主の契約不適合責任が免責されるのが一般的です。売却後のトラブルを心配することなく、安心して手放すことができます。
また、家の中に残っている家具や家電などの残置物や不用品についても、買取業者によってはそのまま引き取ってくれるケースがあります。遠方に住んでいて片付けに行くのが難しい場合などには、大きなメリットとなります。
空き家を買取に出すデメリット

空き家を買取に出すことは、短期間で現金化できるなどの利点がある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、空き家買取における主な注意点やリスクについて解説します。
買取価格が仲介売却より低くなりやすい
空き家を買取に出す最大のデメリットは、買取価格が仲介での売却相場よりも低くなりやすいことです。不動産会社などの買取業者は、買い取った空き家をリフォームしたり解体したりして再販することで利益を得ます。そのため、改修費用や解体費用、業者の利益分があらかじめ査定額から差し引かれます。
| 売却方法 | 価格の目安(市場価格比) | 特徴 |
|---|---|---|
| 仲介売却 | 100%(市場価格と同等) | 買い手を探す時間がかかるが、相場通りで売却しやすい。 |
| 空き家買取 | 60%〜80%程度 | 現金化は早いが、業者の事業コストが引かれるため価格は下がる。 |
このように、買取による売却は手軽である反面、価格面での妥協が必要になります。少しでも高く売りたいと考えている場合には、買取だけでなく仲介による売却も視野に入れて比較検討することが大切です。
買取を断られるケースもある
不動産会社に査定を依頼しても、すべての空き家が必ず買い取ってもらえるわけではありません。買取業者は再販して利益を出すことを目的としているため、買い手がつく見込みのない物件は買取不可となることがあります。
具体的には、以下のような条件に当てはまる空き家は買取を断られるリスクが高まります。
- 建物の老朽化が激しく、倒壊の危険がある物件
- 再建築不可物件や、接道義務を果たしていない土地
- 立地が極端に悪く、今後の需要が見込めないエリアの物件
- 権利関係が複雑で、トラブルに発展する恐れがある物件
このような買取不可となってしまった空き家を処分するには、自治体が運営する空き家バンクを活用したり、隣地所有者に買い取りを打診したりするなど、別の対策を検討する必要があります。
悪質な業者に買いたたかれるリスクがある
空き家買取においては、相場を知らない売主の足元を見て、不当に安い価格を提示する悪質な業者に買いたたかれるリスクが存在します。「早く手放したい」「管理が面倒だ」という売主の心理につけ込み、相場を大きく下回る金額で強引に契約を結ばせようとするケースも少なくありません。
こうしたトラブルを防ぐためには、事前に周辺の相場を把握し、1社だけでなく複数の不動産会社に査定を依頼して比較することが重要です。また、万が一不動産の売却をめぐるトラブルに巻き込まれた場合や、不審な勧誘を受けた場合は、国民生活センターなどの公的な相談窓口を活用して早めに対処することをおすすめします。
空き家買取の相場より高く売るためのポイント

空き家の買取価格は、仲介による売却と比べて安くなる傾向がありますが、工夫次第で相場よりも高く買い取ってもらうことは十分に可能です。ここでは、少しでも高い価格で空き家を売却するために押さえておきたい3つの重要なポイントを詳しく解説します。
複数の買取業者に見積もりを依頼する
空き家を高く売るための最も効果的な方法は、1社だけでなく複数の不動産買取業者に査定を依頼し、相見積もりをとることです。不動産会社によって得意とするエリアや物件の条件、買い取った後の再販ノウハウが異なるため、同じ空き家であっても業者によって提示される買取価格に数百万円の差が生じることも珍しくありません。
複数の業者の査定額や対応を比較検討することで、ご自身の所有する空き家の正確な相場を把握でき、不当に安く買いたたかれるリスクを回避することができます。
| 査定依頼の方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 1社のみに依頼する場合 | 手間や時間がかからず、業者とのやり取りがシンプルで済む | 提示された価格が妥当か判断できず、相場より安く売ってしまうリスクがある |
| 複数社に依頼する場合(相見積もり) | 一番高い買取価格を提示した業者を選べるうえ、正しい相場観が身につく | 複数社とやり取りする手間や、査定立ち会いのスケジュール調整の負担がかかる |
空き家の状態を整えてから査定に臨む
買取の場合、買い取った後に不動産会社が自らリフォームや解体を行うことが前提となっているため、売主側で多額の費用をかけて修繕やリノベーションを行う必要はありません。しかし、査定担当者も人間であるため、物件の第一印象が査定額に影響を与えることがあります。
そのため、査定当日までに建物の簡単な清掃や室内の換気、庭の草むしりなどを行って清潔感をアピールすることが査定額アップにつながります。また、室内に残されている家具や家電などの残置物については、そのまま引き取ってくれる業者も多いですが、その分の処分費用が買取価格から差し引かれるのが一般的です。ご自身で自治体の粗大ゴミとして処分したり、リサイクルショップを活用したりした方が、結果的に手元に残るお金が多くなるケースもあるため、事前に業者へ取り扱いを確認してみましょう。
空き家買取の実績が豊富な業者を選ぶ
空き家を高く買い取ってもらうためには、業者選びも非常に重要です。一般的な中古住宅の仲介売却をメインにしている会社よりも、空き家や築古物件、訳あり物件の買取を専門としている、あるいは買取実績が豊富な業者を選ぶようにしましょう。
実績が豊富な買取業者は、リフォーム費用を安く抑える自社施工の仕組みや、不動産投資家向けの独自の再販ルートを持っています。買い取った後の物件の活用ノウハウが確立されているため、他社では値段がつきにくいような状態の悪い空き家でも強気の高い買取価格を提示できるのが大きな強みです。査定を依頼する前に、各不動産会社の公式ホームページ等で、過去の買取事例や得意としている物件種別をしっかりと確認しておくことをおすすめします。
空き家買取の流れと注意点

空き家の買取をスムーズに進めるためには、全体のスケジュール感や手続きの手順、注意すべきポイントを事前に把握しておくことが大切です。ここでは、買取依頼から売買契約、引き渡しまでの具体的な流れと、契約時の注意点、さらに売却後にかかる税金について詳しく解説します。
買取依頼から契約までの基本的な流れ
空き家の買取は、仲介による売却と比べて手続きがスピーディーに進むのが特徴です。一般的な買取の流れは以下のようになります。
| ステップ | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 1. 査定依頼 | 複数の不動産買取業者に物件の査定を依頼します。簡易的な机上査定と、現地を見る訪問査定があります。 | 即日〜数日 |
| 2. 現地調査(訪問査定) | 業者が実際に空き家を訪問し、建物の状態や境界、周辺環境などを確認して正確な買取価格を算出します。 | 数日〜1週間 |
| 3. 買取価格の提示・検討 | 提示された査定額や買取条件を比較検討し、依頼する業者を決定します。 | 1週間程度 |
| 4. 売買契約の締結 | 条件に合意したら、重要事項説明を受けた上で不動産売買契約を結びます。この際、手付金が支払われることが一般的です。 | 1〜2週間 |
| 5. 決済・引き渡し | 残代金の受領と同時に、所有権移転登記の手続きを行い、鍵を引き渡して完了となります。 | 契約から2週間〜1ヶ月 |
買取業者と直接契約を結ぶため、買主を探す期間が不要となり、最短数週間で現金化することが可能です。
契約時に確認すべき注意点
不動産売買契約を締結する際は、後々のトラブルを防ぐために契約書の内容を細かく確認する必要があります。特に空き家買取において注意すべきポイントは以下の通りです。
契約不適合責任の免責条項
通常の不動産売却では、売却後に雨漏りやシロアリ被害などの隠れた欠陥が見つかった場合、売主が修繕費用などを負担する「契約不適合責任」が問われます。しかし、不動産会社が買主となる買取の場合、契約不適合責任を免責とする特約を付けるのが一般的です。契約書に免責条項がしっかりと明記されているか、必ず確認しましょう。
付帯設備や残置物の取り扱い
空き家の中に家具や家電、日用品などの残置物がある場合、それらを売主が処分するのか、買主(買取業者)がそのまま引き取って処分するのかを明確にしておく必要があります。買取条件に残置物の撤去費用が含まれているかどうかも、契約前に確認すべき重要なポイントです。
引渡し時期と諸費用の精算
固定資産税や都市計画税などの税金は、引き渡し日を基準にして売主と買主で日割り精算するのが通例です。精算の基準日や引き渡しのスケジュールが希望通りになっているかを確認してください。
買取後にかかる税金について
空き家を買取で売却し、利益(譲渡所得)が出た場合には税金がかかります。また、売買契約時にも税金が発生するため、どのような費用がかかるのかを把握しておきましょう。
売買契約時にかかる税金
不動産売買契約書を作成する際には、契約金額に応じた印紙税がかかります。契約書に収入印紙を貼付して納付します。また、登記手続きにかかる登録免許税も必要になる場合があります。
売却益(譲渡所得)に対してかかる税金
空き家の売却価格から、物件の取得費や譲渡費用(測量費など)を差し引いてプラスになった場合、その利益(譲渡所得)に対して譲渡所得税(所得税および住民税)が課せられます。税率は、その空き家を所有していた期間(5年以下か5年超か)によって異なります。
税金の負担を軽減できる特別控除
相続した空き家を売却した場合、一定の要件を満たすと譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。詳しくは国税庁の「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」を確認してください。この特例を適用できれば、税金の負担を大幅に軽減できる可能性があるため、適用条件に当てはまるか事前に確認しておくことが重要です。なお、特例の適用を受けるためには、売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告を行う必要があります。
まとめ

空き家の買取価格は、一般的に仲介売却の市場価格より低くなる傾向があります。不動産会社が買取後に負担する修繕費やリフォーム費、解体費などが査定額に反映されるためです。一方、仲介手数料がかからず、建物や残置物を現状のまま売却できる場合があるほか、仲介売却よりも短期間で現金化しやすいというメリットがあります。
空き家を少しでも良い条件で売却するには、査定額だけでなく、空き家の買取実績や対応範囲、契約条件まで確認することが大切です。空き家や訳あり物件の取り扱いに詳しい買取業者へ相談し、査定額の根拠や売却にかかる費用について十分な説明を受けたうえで、納得できる売却先を選びましょう。
訳あり物件買取センターの不動産買取の専門家に相談することで、これらの複雑な手続きやトラブルをスムーズに解決し、安心して資産を管理・処分することができます。